「チベットでの中国の存在と人権の侵害」 1997 TCHRD発行

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TCHRD(チベット人権・民主センター)1997年発行

中国の権力者たちのチベット人に対する民族に基づいた差別、例えば政治に自分たちの代表を送り込むこと、雇用、教育そして保健を含むすべての生活の活動範囲においての差別は、最も重要な事柄である。チベット内での大多数の政府その他の公共役人たちは、中国人または中国政府によって直接選ばれた者であり、チベットの寺や尼寺に置かれた「工作隊」は、中国政府及び「民主公安委員会」によって設定された者であり、それを構成する各個人は、中国権力者の直接選択からなっている。

強制労働または無賃の労働によって、「チベット自治区」全域で、チベット人労働者の権利はひどく迫害を受けている。中国自身も、「チベット自治区」以外の他のすべての地域で、チベット人が最低賃金で働かされていることを認めている。1997年の前期に、ラサ政権のツアーガイドとして認められていた69〜72名のチベット人の仕事が失われたが、その理由であった「許可なくインドへ旅行したこと」は、表面上の理由にすぎなかった。報告によると、チベット人たちに代わって中国人のツアーガイドを任命された。

亡命したチベットの子どもたちの話により、チベット人学生たちに対する様々な差別があることが分かる。例えば、かなりの高額の学費をはじめ、机や本などの代金を支払わなければならないほか、学校でいろいろな故障が起こった場合も金を払わなければならない。広範囲に渡っての不平等、教育への権利、1997年、ラサの西蔵大学の入学試験さえも、合格するのは通常中国人のみか、または大多数は中国人である。学生たちからも、彼らの教育の内容において差別があるというふうに報告され、彼らはチベットの文化や歴史に関する授業は全く稀なのだと語っている。

亡命先にいるチベット人の報告によると、中国人の患者なら何も払わないで済むのに、チベット人になると全料金を払わなければならないという。彼らの高額な病院での料金には、次のようなものが含まれている。例えば、800〜1,000元の預金があることが必要であるほか、寝台料金は一晩20元、1本のグルコースのビンは200元、そしてさらに診察の料金が必要とされる。その預金の要件が満たされなかったため、病院が患者の保護を断わったため、重病のチベット人が死亡した例も報告されている。