「チベットでの中国の存在と人権の侵害」 1997 TCHRD発行

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TCHRD(チベット人権・民主センター)1997年発行

1997年中、中国の権力者らは、チベットの子供たちを拷問し独断的に抑留し続けた。それらの目的はといえば、子供たちに宗教的弾圧を加えることと、彼らの文化的または教育の権利を認めないことである。少なくとも現在39名の政治犯であるチベットの子供たちは、表現の自由を行使したために、チベットにある中国の監獄の中で辛い生活を送っている。中でも1番若いのは、8歳になるゲドゥン・チョーキ・ニマである。彼らは度々、大人の監獄の中に抑留され、ひどく酷使されて、家族との接触も法的に訴えることも拒絶されている。病気になっても、治療もろくに受けられない。

チベット人のおおよそ3分の1の子供たちには、全く教育が提供されないままである。チベットの都会の中心地で建設された最も新しい学校での教育は、中国の移住民らの子供たち用のものだ。事実上入学試験は中国語であり、法外な学費が要求されるため、通常チベット人は入学することができない。寺院での教育に対しても中国の目が光っており、まず僧侶と尼僧学生の数は厳しく制限され、さらに寺の学校へ子供を入学させるのには高い賄賂を要求される。1996年〜1997年中、「厳打」キャンペーンと関連して、計613名の僧侶と尼僧らが寺から追い出されている。

学校教育でのチベット語の除去化はチベットの子供たちに対する不気味な悪意を明らかにしたものである。1997年4月に「チベット自治区」の役人たちが発表したことは、小学校教育におけるチベット語は、主要語ではないということだ。事実としてチベット語に代わって、中国語とすることが述べられた。

現在亡命しているチベットの子供たちの証言によると、チベットにいるとき彼らは、チベットの衣装を着ること、チベットの食べ物を食べること、チベットの祭日を祝うこと、さらにダライ・ラマの写真を持つことなどが禁じられていたという。

最近亡命して来た子供たちも、チベットの中国経営の学校では、いろいろな残酷な処罰が用いられていると述べている。学生らの面接によると、工業地域の掃除、教師らの衣類の洗濯、そして排水の掃除をさせてりすると報告している。小学生ら、すなわち6歳〜12歳までの子供たちさえ、ゴム製こん棒、鞭、ベルト、電気線、椅子の足、椅子全体、竹の棒、その他の道具を使って連打にあわされている。