チベットの核

ウラニウム鉱山

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チベット内のウラニウム鉱山は、ダムシュン(Damshung)、ラサ北部、ツァイダム盆地、ゴルムド北部、ヤムドク湖周辺、そして南アムドなど複数の地域に存在する。甘粛省甘南チベット族自治州区州のテオ(Thewo )にあるウラニウム鉱床は、チベットで最大のものとして知られている。ウラニウムの処理施設は テオの南西四キロに位置する。中国は、チベットでのウラニウム採掘以外に、核ミサイルの被覆加工に使用するストロンチウムの抽出を行っている。

テオのウラニウム鉱山では、有毒な廃液は、高さ40メートルの石造の建築物に集められ、住民が飲料水として利用している現地の河川へ排出されるようである。インドに亡命してきたチベット難民は、この鉱山の採掘により次のような影響があったことを報告している。

  1. テオに住む50人以上のチベット人が、1987年から1991年までに原因不明の病気により死亡している。
  2. 家畜が原因不明の病気により死亡している。
  3. 草や木が枯れた。
  4. ジャンパコック川(Jampakok)が汚染された。水の色が黒くなり悪臭を放つようになった。この川は、ドゥクチュ・カルポ川(Dukchu Karpo)へ合流している。

亡命政府に届いた情報の中に、謎の死を遂げたテオの住民24人の名簿が含まれている。目撃者によると、彼らはみな高熱を出し、そのあとで震えるような寒さを訴えて死んだそうである。また、死体は青く変色していたという。動物の死体もまた青色、あるいは黒色に変色し、臓器は焼けただれたように見えたとのことである。

1988年、BBC放送局のレポーター、ヴァニヤ・クーレーは、ナクチュカにある中国ミサイル基地を訪れ、その近くの住民にインタビューを行った。彼女の著作『チベット : 氷のカーテンの向こう (Tibet : Behind the Ice Curtain)』には、ケルサンというチベット人の、次のような証言が掲載されている。

「多くの人が、何かが移動されるのを見たり、騒音を耳にしている。ここの住民のほとんどが、ミサイルが中国から搬入されているところを目撃しているし、多くの旅行者も、いろいろな場所でミサイルが移動されているのを目にしている」
ケルサンの証言は、以下のように続く。
「動物たちが奇妙な病気にかかり死んでいくのは、結局、ここで起きていることのせいだ。死んでいくのは動物だけではない。人間もそうだし、奇形児として生まれてくる子供もいる。あちこちで水が汚染され、飲めなくなってしまった。飲んでしまったら、誰も知らないような病気にかかってしまう。病気にかかった人はいろいろな病院に通っているが、症状は良くならないし、医者も病気が何なのか教えてくれない。私たちもそれに関しては、何も言うことができないのだ」


チベット亡命政権情報・国際関係省環境開発部(EDD)発行
「グリーンチベット」1998年ニュースレターより

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