チベットの核

国際間の緊張

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中国政府は、陸地、そして海域の国境をめぐり、台湾に対する全く譲歩のない要求はもちろん、インド、北朝鮮からインドネシアにいたるまで、領土に関する論争をいまだ解決していない。軍事アナリストは、中国政府の 1995年度の国家防衛予算、631億元(75億米ドル) は、「不自然なほど低い」と分析している。中国政府の年間の軍事支出は、独自の推定によると、百億から五百億米ドルにのぼる。中国には、9,200の戦車、51艘の潜水艦、五十五艘の駆逐艦、870艘の沿岸偵察船舶、そして5,845機の戦闘機が配備されている。

合計約434近くもの核兵器と、三層戦略発射システムを抱える中国は、実際核大国であると見なしてよいだろう。二種類の大陸間弾道ミサイルが配備され、その射程距離は7,000キロから1,1000キロに及ぶ。それぞれのミサイルには、2及び5メガトンの核弾頭が装備されている。中国にはまた、86基の大陸間弾道ミサイル、及び27基の大陸間弾道ミサイル発射台が存在する。そのうち12基は潜水艦に装備され、2,700キロの射程距離を持つ弾道ミサイルも搭載されている。さらに、3,100キロの射程距離を持つTU-16爆撃機120機とS-3000地対空ミサイルも配備されている。

中国は、60機の最新型SU-27爆撃機、及び5,000の射程距離を持つ地対地ミサイルをロシアから購入したと伝えられている。そのような現代的な兵器庫を所有することが、戦略上の不均衡を生み出し、東南アジアでの緊張の元になっているのである。

中国自身、強力な核武装を実施していることを認めている。
「我々は、核の独占を打破し、核の脅威に対抗するため、限られた量の戦略的核武装を行ってきた。それにより、核による攻撃が可能となり、中国国家建設に向けた平和的な環境を整備することができるのである」
これは、人民解放軍の第二砲兵軍の司令官が、中国の公式メディアに語ったと伝えられている発言である。

CIA(アメリカ中央情報局)の新しい報告によると、中国が保有する18基の長距離戦略ミサイルのうち13基には、アメリカ合衆国を標的とした核弾頭一つが装備されているようである。

中国は、ロシア、イラン、シリア、そしてパキスタンなどの従属国にミサイル、そしてその他の兵器技術を提供してきた。実際、中国はここ数年、国連安保理常任理事である他の四か国を尻目に、国際的な兵器市場で兵器供給国として先頭を切っている。このことは、世界の平和、そして安全を脅かすもの以外のなにものでもない。


チベット亡命政権情報・国際関係省環境開発部(EDD)発行
「グリーンチベット」1998年ニュースレターより

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