5〜6日目-2 大阪・高野山/チベット密教金剛界マンダラ灌頂

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2011年11月2〜3日

ダライ・ラマ法王によって、高野山大学の講堂に集まった900名余りの日本人僧侶に金剛界マンダラ灌頂(Dorying Wang)が授けられた。
儀礼が始まる前に法王が短い挨拶をし、弘法大師が仏教を伝えた聖地高野山に迎えてもらったことへのお礼を述べた。

さらに法王は、内面的な成長を促す努力をしなければいけないと繰り返しおっしゃった。「お金や権力、自らの利益だけを求める利己的な姿勢からは永続的な心の平静や幸福は得られない。あらゆる紛争の原因は人間の身勝手な態度から生まれる。永続的な幸福と心の平静は他人を慈しみ思いやる気持ちがもたらすものだ。」

法王は、近年科学者らが幸福と苦悩のメカニズム解明のために人間の感情の研究に特別な関心を示していることにも言及した。「慈悲、愛、寛容、やさしさといったポジティブな感情をもつように努力することで心の平和がもたらされ、それが自分だけでなく他者の幸福にもつながるのだ。」
法王は、序会の間、菩薩の心になることを想像し、利己的な態度を捨てると固く約束するよう信者に促した。

砂マンダラの制作をはじめ、ダライ・ラマ法王が行う灌頂の儀式をナムギャル僧院の総院長と僧侶らが介助した。
金剛界マンダラ灌頂の本会は2日午前9時半から午後4時の予定で行われる。

 


 (翻訳:中村高子)

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