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高句麗問題 歴史が韓国にチベットへの協力を促す

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(2004年8月23日 コリアタイムズ)

韓国の野党ハンナラ党の金文洙(キム・ムンス)がコリアタイムズとのインタビューの中で、朝鮮の古代王国である高句麗の歴史を歪曲しようとする中国政府の目論見に対抗する為には、韓国がチベットを含む中国の周辺隣諸国による協調体制を構築する必要性があることを協調した。

金文洙の発言は、紀元前37年から紀元後668年まで朝鮮半島北部を統治した高句麗を含む歴史的な記録の書き換えを主張する中国との間に生じた対立関係の高まりの中で出てきたものである。三期目の韓国国会議員の金文洙は、8月7日から10日まで事実調査のために中国を訪れた。そして、チベットの宗教的指導者であるダライ・ラマに、韓国人仏教徒組織による招聘でソウルを訪問する意向がある場合、韓国政府はビザを発給すべきだと主張した。チベットは中国人民解放軍に侵攻される1949年迄は独立国家であった。中国政府はダライ・ラマを分離主義者のリーダーとみなしている。

「韓国の宗教団体がダライ・ラマを招聘して、中国と韓国との間に重大な外交摩擦を引き起こすことになるとしても、韓国は信仰の自由を保障している国なのだから、韓国政府はダライ・ラマの滞在を許可すべきだ」と金文洙。最近では、韓国の仏教徒がダライ・ラマのソウル滞在許可を求めたのが前金大中大統領が任期中のころで、中国政府との外交摩擦を恐れて韓国政府がビザの発給を拒否した経緯がある。

しかし金文洙は、直接に韓国政府がダライ・ラマを招待して中国を刺激するようなことは避けるべきだと警告する。歴史問題に関する一連の抗議に対して沈黙を守る中国政府を刺激する為の浅はかな策略と見なされるの落ちという。
「中国政府は自国の経済力が伸びたため、韓国を凌ぐ静かな自信を持っているようだ」金文洙

労働活動家から国会議員に転身を遂げた金文洙は、中国が世界の中心であるという思想、つまり中華思想に言及し、その中華思想の根底となるものは「隣国は従属国」と見なすことにあると中国のナショナリズムについて説明する。
「(中国人以外に)現在、このような思想を受け入れる人は誰もいない。チベット、ベトナム、カンボジア、モンゴルなどは、韓国に協力し中華思想に対抗できる力があると思う。中国政府による歴史解釈の誤りを正す為にも、韓国は彼らと力を合わせていかなければならない」

金文洙は、中国政府が高句麗史を書きかえたのは領土保全上の懸念があるためだと考える。
「現在のところ、中国の最大の関心事は国土保全の問題。なぜなら、中国は非常に大きく多様な民族を抱えているからだ。中国政府は現在の国境線を明確にすることによって領土を維持しようとしているのだろう」

多くの民族から成り立つ中国であるため、中国の歴史家らは、民族ではなく現在の国境線に基づいて歴史を書き換えてきた。9月末、平壌に滞在する予定である金文洙は、「韓国、北朝鮮の両国は同様に、朝鮮半島北部の高句麗の遺跡を維持する為にも、互いに協力する必要がある」と述べ、さらに中国政府が高句麗古墳のユネスコ世界遺産登録の前に約3兆ウォン(25億米ドル)を投資したことを挙げ、「韓国政府は朝鮮半島北部の高句麗古墳保存の為に、北朝鮮に対して経済援助を行う必要がある」と付け加えた。

高句麗の大半は現在、中国の満州にあり、何百万もの朝鮮族がいる。韓国の学者は、将来、朝鮮民族が再統合した場合、満州東部における自らの主権を失うのではないかと中国政府が恐れていると理論付ける。なぜなら、統合後の朝鮮政府がこの地域の主権を主張する可能性があるからである。

この論争は、中国政府が今年初めに提出した研究計画報告書に「高句麗は中国の地方政府の一部であった」という記述がされた後、中国・韓国間の外交問題として表に出てきたものだ。