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築地本願寺にて『チベットフェスティバル・ジャパン2023』開催

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スタッフレポーター
2023年5月6日

早稲田大学 教育・総合科学学術院 石濱裕美子教授による基調講演(写真:チベットハウス・ジ ャパン)

東京: チベットハウス・ジャパンは、5月3日・4日の2日間、築地本願寺で『チベット・フェスティバル・ジャパン2023』を開催した。このフェスティバルは日本のゴールデンウィークと重なり、日本の支援者や愛好家、観光客らはさまざまなイベントを通じてチベットの文化、歴史や精神性に触れ、楽しんだ。

チベットハウス・ジャパン代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は開会の挨拶で、フェスティバルへの参加とチベット問題への関心に歓迎と感謝の意を述べた。「今年、しかも築地本願寺で開催できることをうれしく思う」と述べた。本山である京都の西本願寺は、歴史的にダライ・ラマ13世の時代からチベットとの関係があり、また、現在のダライ・ラマ14世の長兄であるタクツェル・リンポチェは1950年代前半に築地本願寺に滞在していた。このフェスティバルを通じて、チベットと日本の古の絆が生き生きと蘇ってくる、とアリヤ代表は述べた。

築地本願寺・伝道企画部部長の安邉泰教師は、境内でチベットフェスティバルが開催されることに喜びを示して挨拶し、築地本願寺とチベットとの間の歴史的な関係が今も生きていることを嬉しく思うと述べた。

フェスティバルでは、チベットの歴史、仏教、瞑想、精神性などに関する講演が行われた。早稲田大学・教育・総合科学学術院の石濱裕美子教授は、『チベットと出会った本願寺僧たち 青木文教・多田等観をはじめとして』と題した基調講演を行い、本願寺とチベットの歴史的関係についてさまざまな角度から紹介した。

ポタラ・カレッジのクンチョック・シタル師と日本人チベット仏教僧のテンジン・ケンツェ(板野弘映)師は、仏教全般ならびにチベット仏教について講演した。ポタラ・カレッジのゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ師は、『祈りと瞑想の実践』と題する教えを説いた。テンジン・ケンツェ(板野弘映)師とケンポ・クンガ・テンパ(奥田剛)師の両師は、インドで学んだ日本人チベット仏教僧としての経験を語った。作家の渡辺一枝氏は、『聖山カイラス巡礼行』と題した写真スライドショーを行い、チベットへの旅と現地でのチベット人との交流などについて話した。各講演では、会場からの質問も飛び交い、好評を博した。

グラミー賞ノミネート歴もあるチベット人ミュージシャン・テンジン・チョーギャル氏と日本人アーティスト・ 寺原太郎氏、池田絢子氏、在日チベット人アーティストのテンジン・クンサン氏、ゲニェン・テンジン氏は、チベットの弦楽器・ダムニェン、インドの笛・バーンスリー、タブラ、ギターなどのセッションによるチベットの歌と音楽のコンサートを行い、来場者を楽しませた。

在日チベット人に関する一連の短編ドキュメンタリー映画を制作した『ノマド・アーツ』のカルマ・ドンドゥップ氏は、チベット難民に関する写真展を開催した。里親制度を通じてチベット人の子ども達の教育支援を行うNPO法人『チベット子どもサポート・KIKU』のブースでは、活動内容を紹介した。

このフェスティバルには、多くの日本人や外国人観光客が訪れた。会場は、5色のルンタ・タルチョ、タンカ、ポタラ宮の写真、チベットの民族衣装を着た人々、チベット料理屋台などによってチベットらしい雰囲気に包まれ、来場者を楽しませた。

最後には、チベットのサークルダンス・ゴルシェと、アリヤ代表の挨拶で締めくくられた。アリヤ代表は、築地本願寺の支援と好意に感謝し、さまざまな貢献をしてくれたボランティアスタッフにお礼を述べた。

このフェスティバルは、日本人とチベット人が、チベットの文化、料理、伝統音楽、舞踊などをともに楽しむ素晴らしい機会となった。また、チベット人コミュニティの奮闘や課題に関する情報やアイデアを来場者に提供することも叶った。

在日チベット人コミュニティおよび『セーブ・チベット・ネットワーク』は、チベットハウス・ジャパンと緊密に連携し、このフェスティバルを支援した。司会は2日間にわたり、セーブ・チベット・ネットワークの北澤杏里氏が務めた。

チベットハウス・ジャパンによる報告

 オリジナル記事

渡辺一枝氏とアリヤ代表(写真:チベットハウス・ジャパン)
瞑想の教えを説くポタラ・カレッジのゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ師(写真:チベットハウス・ジャパン)
日本人チベット仏教僧としての経験を語るテンジン・ケンツェ(板野弘映)師とケ ンポ・クンガ・テンパ(奥田剛)師(写真:チベットハウス・ジャパン)
クンチョック・シタル師、テンジン・ケンツェ(板野弘映)師とアリヤ代表。
石濱裕美子教授にカタを捧げるアリヤ代表(写真:チベットハウス・ジャパン)
(左から)寺原太郎氏、テンジン・クンサン氏、ゲニェン・テンジン氏、テンジン・ チョーギャル氏(写真:チベットハウス・ジャパン)
チベット料理レストラン・タシデレによる屋台。 (写真:チベットハウス・ジャパン)

 


(翻訳:S.Suzuki)