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焼身抗議自殺した歌手・ツェワン・ノルブ氏の父親が、中国警察からの嫌がらせにより自殺

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2022年5月13日
Phayul ニュースデスク

焼身自殺したチベット人歌手・ツェワン・ノルブ氏(右)とその父チュゲン氏(左)

5月13日、ダラムサラ:VOA (ボイス・オブ・アメリカ)チベット語版によると、焼身自殺したチベット人歌手・ツェワン・ノルブ氏の父親は、中国当局による絶え間ない脅迫と嫌がらせのために自殺したと伝えられている。ツェワン・ノルブ氏は今年2月25日にポタラ宮の前で焼身抗議した後、死亡した。「父親のチュゲン氏は、ツェワン・ノルブ氏の焼身抗議の後、地方政府の役人から度重なる嫌がらせを受けた 」と報道されている。

VOAの情報源には、政府による脅迫がチュゲン氏を自殺に追い込んだと考えられる根拠があるという。自殺の正確な時間など、詳細はまだ確認されていない。

「中国政府は、何らかの政治的活動を行った人の家族に対して脅迫的な方策を取ることで知られています。だから、このニュースを聞いたとき、私がまず感じたのは驚きではなく、大きな悲しみでした。この不幸な事件は、チベットの社会システムが深く抑圧されている証拠なのです」と、青年活動家のソナム・ツェリン氏はPhayulに語った。

ロンドンに拠点を置く団体「フリー・チベット」も、5月13日金曜日にチュゲン氏の死に対して懸念と哀悼を表明した。
「これは、中国のチベット占領がいかに悲劇に悲劇を重ねているのかを象徴する、おぞましい一例です。チュゲン氏は息子との死別という苦痛を味わわなければならなかっただけでなく、中国の警察から終わりのない嫌がらせや脅迫を受けたと報告されています」。報告書によると、チュゲン氏はカム地方ナクチュにあるチベット歌舞団の作詞・作曲家だった。

ツェワン・ノルブ氏は、チベット語、中国語、英語で歌い、チベット国内外で人気の、今時の歌手だった。彼は、チベット音楽に対する父親の情熱に深く感銘を受けていたという。チベット人コミュニティのソーシャルメディア・High Peaks Pure Earthに掲載されている彼の詳しい経歴によると、「父親が作曲し、音楽を創り出すのを見て、ノルブは幼い頃から音楽と芸術に触れていた。このような影響から、彼は音楽と恋に落ち、音楽に対して類い稀なる献身をするようになった」。

オリジナル記事


(翻訳:S.Suzuki)