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江沢民訪英歓迎晩餐会にチベット支援団体が抗議

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1999年10月19日
BBCニュース

中国の世界貿易機関(WTO)加盟問題について、江沢民中国国家主席は、WTO加盟国に中国の市場解放への努力等をアピールするためロンドン、パリなど歴訪した。ブレア首相も中国のWTO加盟を歓迎の意を表明、投獄中の中国民主活動家のリスト提出を見送るなど、中国での人権問題に対する意見を棚上げする形となった。

中国国家主席江沢民が訪英し、晩餐会の行われたバッキンガム宮殿の外では、亡命チベット人やその支援者たちの抗議デモが行われた。アメネスティ・インターナショナルやフリー・チベット・キャンペーンのメンバーを含む総勢約200人のデモ参加者は、チベット国旗を振り、チベットの伝統的な歌を歌い、「ダライ・ラマ万歳」と叫び、中国のチベット侵略反対を示した。イギリスのチベットコミュニティの会長、タシ・ツンチョクは、この江沢民の訪英について「言語道断」と述べ、「これでイギリスは、商取引が倫理に先行することを示した」と付け加えた。バッキンガム宮殿の中では、エリザベス女王が、180人の招待客を前に歓迎スピーチを行った。

「英中両国がより緊密な関係を持つことに大変満足しています」

この江沢民の訪英は、エリザベス女王の招聘によるものである。

ダライ・ラマに会ったことのあるブレア首相とチャールズ皇太子両人も、この晩餐会に出席した。江沢民の初訪英は厳重な警備取締りがひかれ、何人かのデモ参加者はデモから外されたと不満を述べた。ほんの少しのデモ参加者が進行ルートをそろえるために少し列を外れると即警察が割って入って来た。そこから乱闘が起こり2人の逮捕者が出ることになった。

「チベット問題及び中国の人権侵害の状況についての記録書類を出して抗議するようなことがあれば、江主席の英国訪問は台無しになるだろう」と中国外務大臣は警告。

「各国はその国民の基本的自由を保障する権利があるが、どの政府も招待客に最高のもてなしをする義務がある」と中国政府スポークスマンはこうも付け加える。

「江沢民主席の訪欧中にごく少数の敵対分子が抗議活動を行おうとするならば、中国とヨーロッパの関係は打ち壊されることになるだろう」

しかし、アスチャル・スコットランド男爵夫人は、中国が亡命中のチベットの指導者ダライ・ラマと対話に入るよう、「それが唯一の現実的な方法」と英政府が中国に強く促すよう要求する文書を読み上げた。

同男爵夫人は木曜日のミーティングでも発言。 「ブレア首相は、チベットを含む中国での人権問題を提起しなければならない」

江沢民が、中国政府に対する抗議について非常に過敏に反応することはよく知られていることだ。今年3月スイス訪問の際、江沢民は、チベット支援デモ参加者が自分に接近したことに激怒し、スイス議会にこう発言した。

「あなたたち(スイス)は、良き友人(中国)を失った」