ニュース

ニュース

最新ニュース

これから開催するイベント

国連、チベット関係は却下

Print Friendly, PDF & Email

2001年6月4日
インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット

ユネスコは、チベットの芸術作品を含むという理由で、国連構内での作品の展示禁止を決定した。ボスニア人とイスラエル人を両親にもつピアニスト、サーシャ・トペリッチは、2001年6月16日、その決定に抗議し、平和に貢献するユネスコ大使としての名誉ある肩書きを辞任する予定だ。

トペリッチは、中国を含む世界中で演奏し、賞賛を受けているピアニストだが、ニューヨークのリンカーン・センターでの慈善コンサート中、正式にその肩書きを放棄する。 「音楽は国境を越える」と題されたトペリッチのコンサートには、チベット人ヴォーカリスト、ユンチェン・ラモが共演者として招かれ、また、特別ゲストとして、ボスニアとヘルツェゴヴィナの国連大使、H.E. ハッサン・ズイヴァリと、ダライ・ラマ法王アメリカ代表部事務所のナワン・ラブギャルも招かれる予定だ。

「芸術は国境を越える」と題された、約50カ国の世界の文化を代表する展示会には、チベットの芸術家による宗教絵画、タンカも含まれ、論争を呼んでいる。

展示会は、国連の教育・科学・文化機関のユネスコと、TIMOTCA(20世紀芸術国際美術館)がスポンサーとなり、2001年6月15日に国連で開く予定であった。

ユネスコは、展示品の中にチベットのタンカが含まれているという理由で、5月上旬にその後援を取り辞めた。

ユネスコは、5月7日の書簡の中で、展示品の中にチベット芸術作品が含まれるという理由で、「TIMOTCAが、参加国(中国)との関係において、深刻な問題に発展するような行動をとった」と発表した。

TIMOTCAの使命は、その展示会は、他の文化的表現だけでなく、国、属国、領土、島々のどのような地域からも参加させることにあり、1995年以来、4つの展示会にユネスコと協賛してきた。

「TIMOTCAの理想の核心をまさにつくもので、この件に関して、妥協することはできない」と、組織の共同設立者、マリアン・デル・ピッツォは述べた。 「国境を越えた芸術は、チベットを代表する芸術も含み、作品の収集規模は絶えず拡張し、世界各国を巡り続けるだろう」

「国境を越えた芸術が、国連のある8211番地の境界を越えることができないとは、皮肉なことだ」と、デル・ピッツォは、続いて述べた。

「自然や風土そのものが文化と芸術であり、それは、国境を越え、国境なしで存在する。我々は、いつか国連が、世界を変えるために、世界の団体として十分な理想をもって機能することができると願っている」

ユネスコのこうした行動は、国連活動からチベット関連事項を除外するために、国連が中国からの圧力に屈するという最近の傾向を示している。

去年8月、国連は、国連総会ホールで開かれた世界の宗教的リーダーのサミットに、ダライ・ラマの出席を拒否した。
同様に、ダライ・ラマ法王アメリカ代表部事務所のナワン・ラブキャルも、3月に国連で演説する予定だったが、その会議の参加を拒否された。 インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット(ICT)は、国連の立場と、チベットのタンカを含む展示会の再開を正当化するために、国連を訪問する予定である。