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中国、インドにチベット問題を「慎重に取り扱う」よう要請

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(2010年8月24日 ダラムサラ)

本日、中国はインドに対し、チベット問題を「慎重に取り扱い」、アジアの二大国である中印関係の絆に「傷をつけない」よう要請した。

中国外務省の報道官は、中国は、亡命中のチベット人リーダーであるダライ・ラマと会見する外国首脳に対して、どのような国であれ、反対の意を表明しており、そうした中国の立場はインドにも事前に伝えられていた、とした。

「中国はいかなる国の首脳であっても、ダライ・ラマと会見することに反対の意を表しており、インド側にも重々、それを伝えていた」——先のインドのシン首相とダライ・ラマ法王のあいだの会談に対する記者の質問に対し、中国外務省報道官の事務局はこのように述べた。

「インド政府は、さまざまな機会に、チベット自治区は中華人民共和国の領土の一部であるとの認識を表明し、チベット人がインド国内で反中国的政治活動に携わることを許可しない方針を示してきた。

中国としては、インド政府がチベット問題に対するこれまでの立場を堅持し、この問題を慎重に取り扱うことで、二国間の関係全体に波風を立てないことを希望する」。

チベット人指導者はインド政府にとって「名誉ある賓客」であるものの、彼が取り組んでいる政治的活動をインドが「支援」することはない——としたインド外務大臣の声明については、中国政府の報道官は言及しなかった。

インドのクリシュナ外務大臣は、チベット自治区を中国の一部と認めたうえで、上記のような声明を出すことで、「いかなる論争にも幕を下ろせるはずだ」としていた。

中国は、ことあるごとに、75歳のダライ・ラマ法王を分離主義者として非難し、1989年ノーベル平和賞受賞者であるダライ・ラマ法王が「中国を分裂させようとしている」と糾弾している。実際には、ダライ・ラマ法王の主張は(分離独立ではなく)中華人民共和国内での真のチベット人自治の実現に限られており、しかも暴力でそれを勝ち取ることを否定している。


(翻訳:吉田明子)