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テクノロジーで信仰をつなぐ ― 第34回カーラチャクラが世界への聖なる贈り物となった理由

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2017年1月16日
ブッダガヤ

世界中の人々が信仰心によって集ったダライ・ラマ法王による第34回カーラチャクラ灌頂伝授会は、さまざまな意味で特別の出来事だった。仏陀が悟りをひらいた地ブッダガヤで開催されたカーラチャクラは、チベット政権の亡命史上、初めてチベット中央政権(CTA)が組織するイベントとなり、灌頂の全過程がTibet TVでライブ放映された。

北京在住チベット人作家ツェリン・ウセル氏
カーラチャクラ灌頂受けている生中継映像

「ここブッダガヤに集う92ヶ国から来た20万人の信徒のほか、CTAのライブ放映を通じて15万人以上が法話に参加しています」と、中央チベット政権のセンゲ主席は述べた。

ダライ・ラマ法王庁はカーラチャクラ灌頂伝授会を、英語、中国語、チベット語、ベトナム語、ヒンディー語、韓国語、ロシア語、モンゴル語の8ヶ国語で放映した。

Tibet TV, CTAの公式のインターネットテレビであるTibet TVは法話の内容をYouTubeとFacebookページにも流した。

「カーラチャクラは初めて、Facebookのライブビデオで放映されました。Tibet TVでカーラチャクラが放映されているあいだ、Facebookページには史上最高の300万件のリーチがあり、たった一件の放映内容の閲覧件数が20万件以上となりました」と、Tibet TVのナムギャル・ツェワン部長は述べた。

「世界からの反響はすごかったです。中国からチリ、南アフリカからスリランカまでの閲覧者から放映に感謝するオンラインメッセージが山のように届きました」と、中央チベット政権情報国際関係省のツェリン・ヤンケ副局長は述べた。

カーラチャクラ灌頂を生中継映像

「旅行規制と中国政府の呼び戻し政策(海外に旅行中のチベット人を緊急帰国するよう命令を下し、ネーパル・インドに旅行中のチベット人はすぐに戻らなければならなかった)によってカーラチャクラ灌頂に参加できないチベット本土のチベット人には心に灌頂が伝授されるだろう」とダライ・ラマ法王は述べられた。

カーラチャクラ灌頂の1日目、ダライ・ラマ法王は当地にいない信徒を思ってこう述べられた。「ヴィナヤ戒律に書かれているように、昔は文字による灌頂の伝授がありました。今日は現代的なコミュニケーションツールがあるので、カーラチャクラの教えを信仰するチベット人、中国人、そして世界中の信徒の皆さんは画像を見ながら灌頂が受けられます。これから法話が進んでいきますが、可能であれば、遠くにいる信徒の皆さんも私の教えについて考え、それに従ってください。私はそうした全ての人のために祈り、それらの人々にも今日から灌頂が伝授されます」。

チベット国内で年配の人が
カーラチャクラ灌頂を受けている
生中継映像

2010年に『勇気あるジャーナリズム賞』を受賞した北京在住の作家ツェリン・オーセルは、ダライ・ラマ法王への揺るぎない信仰、そして、ライブWebキャストを通じたカーラチャクラ灌頂伝授によって得られた精神的充足について述べた。

チベット在住のチベット人作家タシ・ラブテン(トゥーラン)は、チベットでカーラチャクラ灌頂伝授会にオンライン参加する高齢のチベット人女性の感動的な画像を発表し、「旅行許可証は押収できる。だが、信仰心は押さえられない」と書いた。

中央チベット政権はインドのチベット人居住区にライブWebキャスト用の公共スクリーンを設置し、亡命チベット人、とりわけカーラチャクラに参加できない高齢者をはじめとするチベット人に便宜を図った。

「カーラチャクラに参加するのは私の夢ですが、高齢で健康が優れず、それができません。ラダックの僻地の村に住んでいるのに、Tibet TVで日々の法話を聞き、灌頂を受けられるとは信じられないような話です。生き仏のダライ・ラマ法王様から祝福をいただいたと感じています」と、ラダック在住のツェテン・ドルジェ(80歳)は述べた。

また、インド、ネパール、米国では複数のボランティアグループによりライブWebキャストの集団上映会が組織された。

デリーのチベット難民居住地域マンジュヌカティラで
カーラチャクラ灌頂生中継映像

 

「カーラチャクラのライブ放映はテクノロジーで信仰心をつなぐ成功モデルです。テクノロジーを活用することで、チベットや中国に住む信徒などグローバルな聴衆にリーチし、吉祥をもたらすカーラチャクラ灌頂伝授会へのバーチャル参加という贈り物ができました」と、中央チベット政権情報国際関係省のダドン・シャリン情報局長は述べた。