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チベット婦人が、外国に送金したために、中国の留置所で拷問され亡くなった。従兄は拘留されている。

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インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

 

ラモ

私たちの情報すじによると、ナクチュのチベットのドリル地方に住むラモという、3人の子どもの母親のチベット婦人が、今年8月、警察による拷問で亡くなった。今日、国際人権であるヒューマン・ライツ・ウォッチよりも早々にこのニュースを公表した。

〝チベット自治区”のナクチュ、ディル地方出身の牧畜業のラモは、警察の留置所から地方の病院へ送られて、すぐに亡くなった。

報じられているところでは、ラモ36歳は、〝インドに住む家族と他のチベット人に送金した”ことで、中国当局によって、6月に拘留された。それは、チベット内のチベット人の間では普通のことだった。彼女の従兄のテンジン・ツァルパ(タルパとして知られている)は、39歳で実業家、ディルのチャクツェ郡の出身で、同じ罪でラモの2日前に拘留された。地方の警察は、ラモの逮捕に続いて、彼女の家を捜索し、宗教書やダライラマ法王のDVDを没収した。

ラモが逮捕された2か月の間の8月に、彼女の家族は当局によって警察の病院へ呼び出された。ラモは、ひどく傷ついていて、家族を認識することも家族と話をすることもできなかった。2日後、彼女は病院で亡くなった。彼女の家族は、ラモのために、伝統的な儀式を行う許しを当局に乞うたが、当局は、家族にすぐに彼女の遺体を火葬するよう強制した。

中国政府は、チベット内のチベット人と外国特にインド国内の友人や親せき間のどんなつきあいも違法で反政府的だとみなしている。

テンジン・ツァルパ

チベット亡命政権の主席大臣のロブサン・センゲは、所見を述べた。「3人の子を持つチベット人の母親のラモの知らせは、ただ外国へ送金しただけでチベット内の中国の警察がいかに非道なことをするかの危機的な現実をあらわしている。家族へ送金したことで、チベット人を投獄し拷問死させることは、中国および国際法に完全に違反している。中国は、チベット内での人権を尊重して、チベット内でのチベット人に対する続いてきた虐待と権力の乱用に、終止符を打つべきである。」

私たちの情報すじによると、テンジン・ツァルパ氏は、ラルングガル修道院のかつての僧侶である。そこでは、2012年から政府主導で、巨大な取り壊しと立ち退きが行われ、2~3000人の僧侶と尼僧が追い出された。そのためツァルパ氏は、チャクツェで子供たちのために地元の学校を始めたが。その地方の当局がそれは〝違法“だから閉めなさいと言った。それ以来彼は地方当局の監視下に置かれていた。のちに、ツァルパ氏は、地方の薬草とヤルツァ—グンブ(冬虫夏草)を扱う貿易会社を始めて、成功をおさめた。

ツァルパ氏の逮捕後、彼の家族は彼の居場所や彼の健康状態を調べようとしてきた。弁護士を雇ってさらに追跡した。弁護士は9月に1度、ツァルパ氏に会うことを許された。彼はナグチェで拘留されていた。テンジン・ツァルパ氏の動向のゆくえも、彼が審理され判決を下されたかどうかもわからないままである。

チベット人の逮捕と判決の知らせは、情報の伝達手段、特にインターネットのソーシャルメディアプラットフォームにおいて高度に検閲されているために、チベット内で表面化することはとても難しい。まれに、これらのニュースが世界にうまく出てくるのは、数か月後か数年たったあとである。

-国連、EU、および人権デスク、チベット擁護セクション、中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)による報告


(翻訳:のぶこ)