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チベット人女性たちが中国へ抗議デモ

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2000年3月12日
ニューデリー(AFP通信)

チベット人女性100人余が3月11日土曜日にインドの首都を練り歩き、「反中国チベット人女性によるチベット民族蜂起41周年」を表明し、世界の指導者たちに中国のチベット支配を終焉させるよう働きかけてほしいと訴えた。

ニューデリーのチベット人女性協会(Tibetan Women’s Association)の活動家たちは、中国の国旗を燃やし、中国当局が故国チベットで組織だった「大量虐殺」を行っていると強く主張し、反中国スローガンを叫んだ。

「中国がチベットを占領してからというもの、チベットに住むチベット人女性は最低限の基本的権利すら全く与えられていません」同協会のリンチェン・ノゾム会長はインドのバジパイ首相宛の書簡にそうしたためた。

「中国は『(チベット人女性に)強制的な不妊手術と中絶』を行い、『大量の中国人移民』をチベットに入植させて『純粋なチベット民族を根絶やしに』しようとしている」とノゾム会長。

抗議者たちは「中国支配はもうたくさん!」、「インドは中国に気をつけろ」、「チベットの自由はインドの平和に貢献する」などといったスローガンを叫びたてた。

また、コフィ・アナン国連事務総長に向けて、チベット問題解決のために、(亡命したチベット人指導者の)ダライ・ラマ法王と平和的かつ無条件の対話を開始するよう、チベットにおける信教の自由と人権を保証するよう訴えた。

中国の江沢民国家主席にも、チベットの現状は「チベットのためにも中国のためにもならない」と書かれた書簡が送られた。

書簡には「貴殿がチベット問題を平和裏に解決できないせいで、海外での中国のイメージと世評に傷がついている」とあり、「ダライ・ラマ法王による協調的アプローチに積極的に対応」するよう促している。

1959年のチベット民族蜂起後、チベットからインドへ亡命したチベットの精神的指導者ダライ・ラマは、1988年に「中道的アプローチ」を公表し、完全な独立を求めない代わりに、自治権を認めて欲しいと、歩み寄りの意志を表明した。

中国当局は最初、チベット亡命政権と話し合う意向を示していたが、後に態度を硬化させ、チベットと台湾が永久に中国の1部であることをダライ・ラマ法王が公言しない限り、対話を持つことはできないと言い渡した。

土曜日(3月11日)のチベット人抗議者らは、最近、米国連邦議会とヨーロッパの議会がチベットでの人権侵害の現状に対して懸念を表明したことに触れて、他国の「議会も同じように表明してほしい」と訴えた。

ダライ・ラマ法王は先週(3月第1週)、チベットにおける中国の弾圧は、1960年代の文化大革命以来目にした事がないほどひどいレベルに達していると語った。