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チベットの極めて深刻な状況に対応するチベット人特別総会が始まる

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(2012年9月25日 CTA

ダラムサラ:極めて深刻なチベットの状況への対応策を討議し、チベット問題解決への国際社会の具体的支援を得るため、世界各国から数百名のチベット人代表者たちがダラムサラに集結した。

インド、米国、ヨーロッパなど26ヵ国から集まった432名の代表者は第2回チベット人特別総会に出席する。

チベット子ども村(TCV)学校の大ホールに設置された王座にダライ・ラマ法王の肖像が掲げられたことで4日間の会議が始まった。焼身行為に及んだ人々への敬意の印として、大ホールの周囲を取り囲むバルコニーからはチベット国旗が51旗、掲揚された。

チベット亡命議会のツェリン・スポークスマンは開会の挨拶で、「第2回チベット人特別総会開催の最大の理由は、今日、チベットが置かれている悲劇的状況に亡命チベット人がどのように対処できるかを話し合うためである。過去60年間、中国政府はチベット人の民族アイデンティティを完全破壊するために同化政策を実行してきた」と述べた。

ツェリン・スポークスマンによると、中国政府は漢民族をチベットに大量移住させる政策を取り、チベット人の政治的自由や、その言語、宗教、文化をことごとく抑圧してきた。「そのため、チベットの状況は極めて耐えがたいものとなり、我々の知るところだけでも51名のチベット人が自身に火を放って生命すら犠牲にすることに駆り立てられた。その結果、41名が死亡した。チベットは宣言がないまま実質的に戒厳令下に置かれた状態が続いている。中国はチベットをまるで監獄のような場所に変貌させ、独立した立場の報道関係者やチベット人居住地域の実情の調査を求める政府系・民間の代表団の立ち入りを拒否している」とも同氏は述べた。

同氏は、たとえようものない悲しみと惨めさに打ち沈んでいる悲劇的現状はまた、チベット人が団結し、その力を1つにして直面する試練に対処する機会でもあると述べた。

センゲ主席大臣はその開会の辞で、チベットの悲惨な状況とチベット人の悲劇的焼身行為を国際社会に向けて明らかにするために行ってきたチベット中央政権内閣(カシャク)の努力について語った。支援の声明と決議がオーストラリア、カナダ、台湾、チェコ共和国、フランス、ドイツ、日本、イタリア、南アフリカ、ポーランド、スイス、米国といったさまざまな国の政府と議会から発せられ、チベット問題は米国とEUの議会で取り上げられ、決議案が採択されたともセンゲ主席大臣は述べた。

チベットの悲劇の終結に向けた国際社会の支援を取り付けるため、チベット中央政権内閣は考えうるあらゆる努力をしたと主席大臣は述べ、4日間の会議の終了時には新たな具体的アクションプランが発表されることを望むと述べた。

また代表者たちにはダライ・ラマ法王帰還とチベット人の自由という焼身行為者の望みを叶えるような方策を討議するよう望むと主席大臣は述べた。

さらに主席大臣はチベットの重要性と影響力への認識を高めたり、チベットの安定と環境保護がアジアにとっていかに重要かということの認知度を高めることによってインドや中国をはじめとするアジア諸国からの支援を得る方策を討議することの大切さも強調した。

声明や決議採択を通じてチベットの現状に対する懸念を表明した各国政府と議会に主席大臣は感謝の意を示すとともに、チベット地域の真の状況の評価に向けた事実調査団と国際メディアへのチベット入りを許可するような具体的行動を起こすよう、中国政府に圧力をかけることを要請した。

主席大臣は、チベット中央政権は中道アプローチを堅持し、中国政府との対話を通じてチベット問題を解決する所存だと述べた。チベット亡命議会のツェリン・スポークスマンも同様の見解を示し、特別総会の期間中に中道アプローチ以外の新たな政策の採択が話し合われることはないだろうと述べた。

代表者たちは総会最終日の金曜日に最終的なアクションプランを発表することになっている。金曜日朝にはチベット中央政権内閣と議会が主催する長寿祈願の祈祷会にダライ・ラマ法王が参加される予定。

 

 

 


(翻訳:吉田明子)