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チベットから映画産業の中心地へ :ロプサンが映画出演

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2002年4月13日
(タイムズ・オブ・インディア)

必ず行うモノローグの一部として、アメリカの有名なテレビ司会者ジェイ・リノはバンドリーダーのケビンにこうアドバイスしたことがある。「黒人と白人が争っていたら、黒人が勝つ方に賭けろ」

ボクシングでもボディビルディングでも、常に勝利してきたのはアフリカ系アメリカ人だった。だから、アジア人がこうした大会で競うというのは控えめに言ってもかなり珍しいこと。だからこそ、ロプサン・ドクパツァンはボディビルディングを極めようと触発されたのだろう。あとはもう、知っての通りである。

チベット出身のロプサンと彼の家族は現在、インドのダージリン近郊に住んでいる。栄養士であり、契約スポーツトレーナーでもあるロプサンは、1998年のミスター・ニューヨークであり、ダライ・ラマのボディガードを務めるという栄誉を2回果たしている。

彼はフィットネスに関して、ハリウッドの有名人である。実際、ニコラス・ケイジは映画「コン・エアー」の役柄上、立派な筋肉がついているのを見せたかったとき、ロプサンにフィットネストレーナーになってくれるように自ら依頼した。

マイケル・チャンも、テニスコートでの疲労が循環的に巡ってくる段階にあった初期の頃、ロプサンのもとを訪ねた。それにモデルのクリスティ・チューリントンもそうした有名人の中の一人である。

フィットネスとは別に、ロプサンは演技にも情熱を燃やし、米国の映画俳優組合に登録している。だが、ロプサンをインドへと導いたのは銀幕の世界ではなかった。

「インドとネパールの子供たちの間に、フィットネスという考えを広めたかった。アメリカのタフなボディビルディング大会に割り込めた見本として、自分なら人々にやる気を起こさせることが出来ると思った」とロプサンは言う。

だがラッキーなことに、彼は今ボリウッド(インドの映画産業の中心地ボンベイ)の真っ只中にいて、すでに映画出演が決まっている。フェローズ・カーン監督による、ファーデン・カーンとセリナ・ジャイトゥリィ出演の「ジャハナシーン」と、スニール・ダルシャン監督の「タラーシュ」といったスターが出演する(アクシェイ・クマールとカリシュマ・カプール主演)の2本の映画である。

「タラーシュ」では、ロプサンはボディガードを演じるが、ボブ・クリストのタイプとは違う。「いい身体をしていると、たいていの人は演技なんかできないんじゃないかと思う。だからそういう考え方を変えていきたい。ぼくはプロの俳優だし、生粋のヒンズー語を喋れる。ぼくの身体は(あくまでも)利点の一つだ」

ロプサンは「ジャハナシーン」での役柄に対してもスリルを味わっている。この映画では、フェローズ・カーンの右腕であるカシュミーラ・シャーの相手役を演じる。

ボディビルディングからボリウッドまで、虹のふもとにあると伝えられている黄金の壷を捜し求める旅人のように、ロプサンは旅を続ける。

ボリウッドでのブレークはついに、銀幕の世界で生きるというロプサンの夢にチャンスを与えてくれた。そう、人生はボリウッド界のこのボディビルダーにとっては、申し分なく素晴らしいのである。