2023年5月23日
ニュース
ダラムサラ： このたび広島で開催された先進７カ国首脳会議（Ｇ７広島サミット）において、「核兵器のない世界」を求める首脳声明が発表されたことに、心より歓迎の意を表したいと思います。この共同声明は、私たちが暮らしている相互依存がすすむ現実世界を反映しており、同時にこの21世紀を平和と協調の世紀にする機会であることを表明しているものです。
これまで世界の非軍事化と核兵器の廃絶を訴えてきた者として、このたびの声明が前向きな一歩になると確信しています。2022年１月に、核保有５カ国が「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」とする共同声明を発表しましたが、私はその際も高く評価すべき取り組みであると思いました。
世界の多くの地域が不確実性と激変に直面している時代において、対話と外交によって問題を解決するため、私たちが一枚岩となって懸命かつ協調した働きかけをすることが極めて重要です。しかるに、Ｇ７各国によるコミットメントは力強いメッセージであり、これらの兵器が人類に与える脅威に終止符を打つことの緊急性を認識するものです。
核兵器のない世界は必要であり、実現可能です。この相互に依存する世界では、暴力は対立とは無関係の人々さえも苦しめるものです。私たち人類はひとつであること、核兵器の使用をはじめとする暴力によって他者を傷つけることは、私たち自身を傷つけることになる、ということを忘れることなく常に心にとめておいてください。
この２１世紀がもっと思いやりに満ちた、平和で調和のとれた世界になるよう祈っています。
（翻訳：Kurihara Kanoko）