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ダライ・ラマのビデオで6年間の禁固刑

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2001年6月14日
チベット人権民主センター

TCHRD(Tibetan Centre for Human Rights and Democracy)チベット人権民主センターが受け取った情報によると、ラサ人民保安局は、ダライ・ラマのビデオを自宅で鑑賞していたかどで捕まったチベット人女性に6年の禁固刑を言い渡した。

2001年2月16日、中国の人民保安局職員は、ミクマルが4人の友人とダライ・ラマのビデオを鑑賞していた部屋に押し入った。当局はビデオを没収し、さらに政治的な証拠がないか家宅捜索した。

5人は直ちに、ラサ市北部にあるチベット自治区人民保安局拘留センターに連行され、厳しい尋問を受けた。ミクマル以外は、数日後、5000元(600米ドル)の罰金を支払ったあと全員が解放された。2001年5月、ラサ仲介人民裁判所は、ミクマルに6年の禁固刑を言い渡した。情報提供者によれば、彼女はすぐにドラプチ刑務所へ移送される。

37歳のミクマルはもともとラサ東部のツェーグタン出身で、共産主義メンバーだ。1989年に中学卒業後、3年間のカリキュラムで勉強するために中国へ行った。卒業後、ラサに戻り、拘留されるまで夫とともに郵便・通信部のラサ管理部に勤務していた。

同様に、ダライ・ラマの写真保持禁止が青海省のティンリ郡で報告されている。2001年3月、地元警察はダライ・ラマの写真を没収するために同郡のチベット人家庭を抜き打ちで数回、家宅捜査した。キルーという名前の地元のチベット人は、大量没収を避けるため、2人の友人の助けを借りて、不安におびえた村人たちから700点近くのダライ・ラマの写真を回収し、自宅の屋根に隠した。

1カ月後、5,6人の警官が家に押し入り、写真を没収して、キルーと友人を5日間ティンリ拘留センターに留置した。彼らは、それぞれ罰金5000元を1週間以内に払わなければ、終身刑に処すると警告された。しかし、3人とも亡命することに成功している。

チベットでは、宗教の自由が完全に保証されていると中国は声高く主張しているが、これらの逮捕劇と拘留事件はその主張と矛盾している。2001年5月、チベット自治区司法省の曼徳力(Meng Deli メン・デリ)省長は、「ダライ・ラマの写真を掲げたという理由とやらで刑務所に入った者は1人もいない」と言った。

だが、チベット人は数年に亘って多数の逮捕劇と拘留事件に直面してきた。写真、ビデオテープ、カセットテープの所持であれ、ダライ・ラマを当局の前で非難することが出来なかったことであれ、直接・間接的にダライ・ラマの問題と関わっていない者は殆どいない。昨年、ラサ在住のチベット人450人が、自宅にダライ・ラマの写真を飾ってあったという理由で500元の罰金を課せられた。中国政府は、ダライ・ラマを敬うことを「分離主義的な活動」と位置付けし、反ダライ・ラマ運動を強化するために様々な方策を採用・模索している。