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ケツン・サンポ・リンポチェ師の入滅

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(2009年12月8日)

ネパールにお住まいのケツン・サンポ・リンポチェが12月6日、90歳で入滅されたというお知らせがありました。リンポチェは、チベットのみならず、日本の東洋文庫に勤務され、またいくつかの大学でチベット語を講じられ、チベット学者の育成に貢献されたほか、ご著書でチベット仏教への関心を喚起され、ネパールで、またたびたびの来日で直接教えを受けた日本人も少なくありません。チベットと日本仏教発展のため大きな業績を残した方でもあります。

チベットの伝統では、悟りの印として、医学的な死後もしばらく硬直せず、瞑想状態を保つ、トゥクダムという現象がおきるといわれています。リンポチェもこのトゥクダムを経験されました。トゥクダムは、ふだん日常生活において深い修行を積んだ方々のみが経験するものと考えております。

リンポチェはニンマ派ですが、仏教の教えに関して宗派をとわず、ニンマ派、サキャ派、カギュ派、ゲルク派の先生方からチベット仏教を修行しておりました。また、リンポチェは、ニンマ派の歴史学者としても世に知られております。

リンポチェは1920年、チベットのヤムドク生まれで、お父さんの後をつき、仏門に入りました。1959年、ダライ・ラマ法王のインド亡命と共にインドに亡命され、チベット亡命政権に勤務されました。1960年、ダライ・ラマ法王とキャプジェ・ドゥジョム・リンポチェのご指導により仏教を教えるため、日本に派遣され、1970年まで東洋文庫に勤務のかたわら、いろいろな大学やセンターで仏教とチベット語を教えていました。

リンポチェは、ネパールに戻った後、仏教を学べる施設を設立、世界各地からくる方々にチベット仏教を教えるなど貢献なさいました。
現在、リンポチェのお寺で49日の間、チベット仏教の伝統に従って、毎日、かかさず法要を行っております。