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オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相の中国訪問中に、チベット問題について取り上げるよう提言

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2023年11月4日

オーストラリア、キャンベラ:チベット情報所キャンベラのカルマ・シンゲイ代表は、オーストラリア首相の訪中前夜、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相に書簡を送り、習近平国家主席をはじめとする中国共産党の指導者たちに対し、チベット問題について取り上げるよう促しました。

2023年10月30日付けの書簡で、カルマ代表は、「チベット国内の現状は危機的です。中国の抑圧的な政策と治安組織による支配の下で、チベットの国民的意識は存亡の危機に直面しています。チベットの人々は、中国政府による文化的な同化、政治的な抑圧、経済的な疎外化及び、生態系の破壊にさらされているのです。こうした抑圧的な状況やチベットにおける市民社会スペースの欠如により、少なくとも157名のチベット人が、チベットにおけるさらなる自由とダライ・ラマ法王のチベットへの帰還を求めて、悲劇的な焼身自殺という抗議行動に訴えました。」と述べています。

さらに、カルマ代表は、「約100万人のチベットの子どもたちが親元から引き離され、中国による植民地支配的な寄宿制学校に強制的に入れられていると報告されています。チベット語は、中国語へと計画的に置き換えられ、チベットの中学校は強制的に閉鎖されています。200万人を超えるチベット人遊牧民たちは、『開発』と『貧困削減』の名のもとに、先祖伝来の土地から強制的に移住させられたのです。また、パンチェン・ラマ11世であるゲンドゥン・チューキ・ニマ氏が、失踪させられ続けていることは、チベット人や仏教徒のみならず、世界各国の人権擁護者にとって大きな関心事です。」としています。

また、中国がチベット国内で、大量のDNA採取を強要し、チベットを一般市民常時監視国家へと変容させようとしていることにアルバニージー首相の注意を喚起し、このようなことはチベットの人だけでなく、全人類に悪影響を及ぼすと指摘しました。

カルマ代表は、書簡の最後を、「中国を訪問した際、この重大な局面において、チベット情勢に関するオーストラリアの懸念を強調し、長年にわたる中国・チベット紛争を解決するため、ダライ・ラマ法王代表部と中国政府との対話の必要性を呼び掛ける、強い公式声明を発表することを求めます。チベット問題の解決は、世界平和とチベットの人々だけでなく、中国とその地域の安定した豊かな未来の確保に向けた大きな一歩となることでしょう。」と締めくくりました。

オーストラリア国内最大規模のチベット支援団体である、オーストラリア・チベット評議会もアルバジーニー首相に対して、中国政府によるチベットでの人権侵害について、訪中期間中に行われる中国政府関係者との会談で問題提起するよう求めました。

11月2日に発表されたメディアによる報告では、オーストラリア・チベット評議会のゾーイ・ベッドフォード執行役員は、「主要メディアを媒介とした最近のオーストラリアの世論調査では、3分の2(66パーセント)が、中国との貿易再開は、中国による人権侵害に対する措置よりも重要ではないと感じていることが分かった。」としています。

さらに、ベッドフォード執行役員は、「オーストラリア人は、中国との貿易交渉によってオーストラリアの価値観が損なわれることを望んでおらず、チベット問題を提起する措置を講じなければ、中国は、貿易相手国の暗黙のうちに貿易再開の承諾を得られたものと解釈することを許すこととなり、オーストラリア人は、私たちの価値観を代表してアンソニー・アルバニージー首相が、チベットでの中国政府による人権侵害を問題視することを期待しています。」と付け加えました。

–中央チベット政権キャンベラ代表部事務所による報告

オリジナル記事


(翻訳:仁恕)