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精神的指導者は名誉ある待遇に値する

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(2010年2月19日 インディペンデント紙 エイドリアン・ハミルトン(イギリス))

先日オバマ大統領はダライ・ラマ法王と会談し、法王を支持する意志を明確に表明しようとしたが、残念ながら、曖昧さの残るものとなった。

しかしながら、法王を治安を乱す存在だとする中国の猛烈な反対にもかかわらず、大統領は法王と直接ホワイトハウスで会談したことは彼の意図を表している。

会談は、有名な米国大統領執務室ではなく、個人的な会談に用いられるマップ・ルームで行われた。会談後に法王と共同で行われるはずの記者会見は行われなかった。とはいうものの、去年ロンドンで行われたゴードン・ブラウン首相との会談よりは、まだよいものであった。イギリスでの会談では、政治的な会談ではないことが強調されるという、お粗末なものであった。

チベットの指導者は、単に宗教上の指導者ではない。中国内外のチベット人にとって、ダライ・ラマ法王は国家、文化の象徴であり、際立って特別な存在である。

それ故に中国当局は彼の影響力を恐れ、不安に感じている。その法王は、チベット自治区問題の平和的解決を模索し続けている。

中国当局は、諸外国政府がダライ・ラマ法王を政治的な存在ではなく、単なる宗教者とみなして接待することを求めており、そのためイギリス・アメリカでの会談もあやふやなものとなった。現在、世界は中国の持つ力と、その中国から怒りを買うことを恐れているのだ。

しかしこれらの国々にとって、会談を曖昧することは自嘲的な行為である。率直に言うと、中国はチベットに対して僅かな譲渡を行うつもりはない。欧米諸国の時間稼ぎのような外交は、全くチベット人の為にはならず、彼らの切望と道理を裏切っているだけである。

ダライ・ラマ法王は、彼に値する栄誉と扱いを受けなければならない。平和の模索者、国民の象徴、世界の最も素晴らしい精神者としての扱いこそ、彼に相応しいのだ。


(翻訳:カミーユ綾香)