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チベットハウス・ジャパン、築地本願寺でチベット・フェスティバル・ジャパンを開催

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2024年5月6日

参加者を歓迎するアリヤ・ツェワン・ギャルポ代表

東京:チベットハウス・ジャパンは5月4日と5日の2日間、東京の築地本願寺でチベット・フェスティバルを開催した。このフェスティバルの目的は、チベットの豊かな歴史的、精神的文化を祝い、日本のコミュニティに紹介することであった。セーブ・チベット・ネットワークはこのフェスティバルを支援した。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は、開会の挨拶で参加者を歓迎し、1908年にダライ・ラマ法王13世と西本願寺の大谷尊由(そんゆ)が出会って以来のチベットと日本の歴史的関係や、その後のツァワ・ティトゥル、青木文教、多田等観などの学生の交流の歴史を紹介した。また、ダライ・ラマ14世の兄であるタクツェル・リンポチェについても触れ、1950年代初頭にタクツェル・リンポチェが日本に滞在していた際、築地本願寺の住職であった北畠教真(きたばたけ・きょうしん)師にいかに助けられたかを語った。

築地本願寺の木村共宏師は、挨拶のなかで、チベットと本願寺の長年にわたる歴史的な関係について語り、このフェスティバルを通して古くからの神聖な関係が祝われることに喜びを表した。

チベット・モンゴル仏教文化センターのアジャ・リンポチェとタシルンポ寺のシギャップ・リンポチェは、パンチェン・ラマ問題とチベットの信教の自由の状況について語った。アジャ・リンポチェはさらに、なぜチベット仏教は多くの人々に必要とされているのかについて話し、シギャップ・リンポチェは、ロー・ドク・ナム・シーと言われている、四つの心を変える教えについて説いた。三浦順子氏が両リンポチェの通訳を務めた。

慶應義塾大学の井本由紀准教授は、SEE(社会的・情動的・倫理的)学習について紹介し、多くの人々がこのテーマに大きな関心を示した。東京大学の星泉教授は、チベットの豊かな物語文化について語った。星教授は、黄金の亡骸の物語である「ロ・ドゥン」を日本語に翻訳しており、この物語がどのように始まり、どうチベットの精神文化を示しているかを紹介した。

ダラムサラにあるメンツェカンの卒業生である小川アムチ(アムチ:チベット伝統医学の医師)は、チベット医学を学んだ経験について語り、仏教の精神主義がチベット医学の実践にいかに深く組み込まれているかを説明した。

フェスティバルはチベットのルンタと呼ばれる祈りの旗でカラフルに飾られ、ポタラ・カレッジ、カワチェン、タシデレ、カルマ写真展、KIKUスポンサーシップ・プログラム、SEEラーニング、チベットハウスによる、チベットの雑貨や服などを販売するブースや総合案内が並んだ。タシデレレストランは屋台を出店し、チベット料理のモモ、シャパレ、バター茶などを来場者に提供した。

各日の最後には、グラミー賞にノミネートされたテンジン・チョーギャルさん、寺原太郎さん、テンジン・クンサンさん、ゲニェン・テンジンさんがチベットの歌と踊りで観客を楽しませた。観客はチベットダンスのステップを教わり、チベット・サークル・ダンスの“ゴルシェ”に参加した。

フェスティバルは何事もなく終了した。シギャップ・リンポチェのパンチェン・ラマ問題に関する講演は、毎日新聞に取り上げられた。遠方から参加する人もいた。来場者からは、豊かなチベットの精神文化に触れ、喜びと活気にあふれた声が聞かれた。

最後にアリヤ代表は、会場を提供した築地本願寺、貴重な話を人々に届けたリンポチェや講演者の方々に感謝し、お礼を述べた。また、イベントの運営を手伝ったボランティアのメンバーには、助けの手を、チェンレジッヒ(観音)の千本の腕の現れになぞらえて感謝した。

                              —ダライ・ラマ法王日本代表部事務所からの報告

挨拶する築地本願寺の木村共宏師
アジャ・リンポチェと通訳の三浦順子氏
シギャップ・リンポチェと通訳の三浦順子氏

 

チベットの民俗文学について語る東京外国語大学の星泉教授
チベット医学について語る小川アムチ
SEEラーニングについて講演する慶應義塾大学の井本由紀准教授

 

(左から)ゲニェン・テンジンさん、テンジン・クンサンさん、アリヤ代表、テンジン・チョーギャルさん、寺原太郎さん

 

来場者の方々

 

 

オリジナル記事


 (翻訳:稲田かおり)