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第8回世界チベット議員会議への、日本チベット国会議員連盟下村博文会長からのメッセージ

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日本チベット国会議員連盟 下村博文会長
中央チベット政権・亡命チベット代表者議会
議長 ケンポ・ソナム・テンフェル 様

第8回世界チベット議会が開催されますこと心よりお祝い申し上げます。

まず初めに、現在、日本国は国政選挙(参議院議員選挙)の最中につき、議員の参加が叶わずメッセージに代えさせて頂きますことご理解いただけましたら幸いです。

ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更を認めないとの国際秩序の根幹を揺るがすものであり、欧州だけでなく日本にとっても多大なる影響を及ぼす大きな問題となっております。北朝鮮はきわめて高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返しており、中国は、わが国周辺の海・空域等における活動を拡大・活発化させているなど軍事活動が活発化し懸念すべき状況にあります。

日本チベット国会議員連盟は2016年11月、自由・基本的人権・法の支配といった基本的価値観を共有し、チベットの現状を正しく理解し、国際社会に向け積極的に平和主義を貫くことを趣旨として超党派の国会議員メンバーで結成されました。現在、102名(衆議院77名・参議院25名)の議員が加入しており議員連盟の規模としては世界最大を誇ります。

近年、国際社会から、チベットをはじめ新疆ウイグル、南モンゴル、香港等における、信教の自由への侵害や、強制収監をはじめとする深刻な人権侵害への懸念が示されております。人権問題は、人権が普遍的価値を有し、国際社会の正当な関心事項であることから、一国の内政問題にとどまるものではありません。

この事態に対し、一方的に民主主義を否定されるなど、弾圧を受けていると訴える人々からは、国際支援を求める多くの声が上がっており、日米首脳会談、G7等においても、人権侵害への深刻な懸念が共有されたところであります。

このような状況を鑑み、日本チベット国会議員連盟は本年2月人権侵害が懸念される議連と協力し、衆議院において国会決議を行いました。中国に対し、力による現状の変更を国際社会に対する脅威とし、国際社会が納得する形での説明責任を果すよう強く求めるとともに、日本政府に対し、この深刻な人権侵害の全容を把握するため、事実関係に関する情報収集を行い、国際社会と連携して監視し、救済するための包括的な施策の実施を求めました。

現在、中国国内では、中国当局によるチベット族を始めとする少数民族などに対する厳しい締め付けが続いており、本年5月に中国を訪問したバチェレ国連人権高等弁務官は、チベット族の言語的、宗教的、文化的アイデンティティが保護され、チベット族が宗教生活に関する決定に完全かつ自由に参加し、中国側との対話が行われることが重要であると指摘しております。

日本政府としても、国際社会における普遍的価値である自由、基本的人権の尊重及び法の支配が中国においても保障されることが重要であり、チベット自治区を含む中国における人権状況について懸念を持って注視しております。

また、日本政府は、企業による人権尊重の取組みを力強く後押ししており、企業に対して、人権デュー・ディリジェンスのプロセスを導入するよう期待を表明し、人権デュー・ディリジェンス実施のための企業向けガイドライン作りを開始しております。国連指導原則等の国際スタンダードに則り、日本企業の人権侵害への取組が強化され、結果として、世界の人権侵害問題の改善につながるよう期待しております。

こうした日本の立場については、これまでも、様々なレベルで中国側に直接伝達してきており、引き続き、国際社会と緊密に連携して、中国側に強く働きかけていかなければなりません。

日本チベット国会議員連盟としても日本政府の取り組みを後押しするとともに、本日ご参集の世界チベット議会メンバーと連携して、中国との対話の窓口を開いていけるよう尽力してまいります。

結びに、第8回チベット議会の成功を心よりお祈り申し上げメッセージとさせていただきます。

日本チベット国会議員連盟
会長 下村博文