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特別追悼法要 – ロサルにかえて

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(2008年3月4日 ドルマ・ツェリン(東京在住のチベット人コミュニティーの一員/チベット子ども村出身))

Photo:Takikan Usui

2月28日、午後3時30分。東京都心にたたずむ常圓寺で在日チベット人コミュニティー主催の追悼法要が行われた。中国政府の厳しい支配のもとでチベット人が示した勇気を称えるために、そして、昨年3月10日、中国政府の弾圧によって命を奪われた268名の罪なき人々の冥福を祈るために、在日チベット人および日本人支援者およそ150人が集まった。

会の進行を担当した在日チベット人コミュニティー代表、ケルサン・ドントゥプ氏はその挨拶の中で、今回集会がもたれるきっかけとなったチベットの痛ましい現状に触れ、正当な主張のために命を犠牲にしなければならなかった人々を追悼するという今回の法要の趣旨を説明した。スピーチの口火を切ったのはダライ・ラマ法王日本代表部事務所ラクパ・ツォコ代表である。彼はまず50年前のチベットの様子と現在の状況について詳しく報告した。チベットはこれまでにない危機的な状況にあり、それはチベット人社会だけでなく国際社会をも脅かすものである、とラクパ代表は主張する。中国政府は身勝手に天然資源やエネルギー資源の乱開発を続け、軍備拡張を行ってきた。その結果もたらされたチベットの環境および生態系の破壊は近隣諸国にとっても大きな問題となっている。チベットの環境破壊は世界的な気候変動にも影響を与えることになるという。
さらにラクパ氏は、チベット独自の文化、伝統、宗教、言語そしてチベット民族のアイデンティティの破壊は計画的であり極めて非人道的である、と続けた。チベットの中で組織的な民族殺戮が進められているというのだ。チベット民族がこの闘いに立ち向かえるように日本の支援者に向けて改めてサポートが求められた。ラクパ代表は、2009年は中国政府が不法にチベットを占領して50年目という大切な節目であることも強調した。

今年はチベット内外のチベット人が任意でロサル(チベットの正月の祝い)を返上し、昨年三月に中国武装警察に命を奪われた方々とその遺族のために供養をすることになった。スピーチはさらに小林秀英氏に引き継がれた。日本人住職であり、長年のチベット支援者でもある小林氏は、他の僧侶らとともに日本語で経を読まれた。

Photo:Nekomimi

厳粛な雰囲気の中、チベット人と日本人がチベット語で経をあげた。チベット語の経文にもかかわらず、日本人の多くがチベット人と一体となり熱心に経やマントラを唱和していた。読経が終わり、チベット人コミュニティーによって用意された伝統的なバター茶とデシールが参加者に振る舞われた。寺のホールは交流の場となり、参加者は活発に情報交換をしていた。

 

 

 

Photo:Nekomimi

午後6時、場所を寺の境内に移し灯明供養が執り行われた。境内にはデザイナーによって様々な色、形の無数のキャンドルがダイナミックにアレンジされ、参加者全員がその素晴らしいディスプレーを取り囲んだ。人々は手にしたキャンドルに灯をともし、亡くなったチベット人の魂の冥福を祈った。法要は午後7時、全てのプログラムを終了した。

 

 

 


(翻訳:中村高子)