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欧州議会チベットインターグループ報道発表

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(2004年1月21日 チベット インターグループ 代表者 トーマス・マン (欧州議会議員))

チベット問題の共同アプローチを討議するためブリュッセル訪問中の米国チベット問題調整官と欧州議会議員との特別円卓会議において、欧州連合(以下、EU)と米国は、ダライ・ラマの代表団と中国政府高官との間でなされた新たな接触という機会に対して行動を起こし、双方に受け入れ可能な解決に向けて対話を進めていくため、欧州と米国が一致団結して協力すべきとの決議がなされた。

欧州議会チベットインターグループのトーマス・マン代表は、以下のように述べている。
「最終的に中国政府は、国内事情とチベット人の主張に基づき、ダライ・ラマと交渉に入ることを決断することになるだろう。国際社会の強い働きかけが功を奏して、2002年と2003年のダライ・ラマ代表団の訪中が実現したことは明らかである」

特別円卓会議は、現在論議の的となっているEUチベット特別担当官の任命についても言及された。欧州議会、および欧州理事会は、欧州委員会が(チベット問題調整の)任を遂行できるよう2年間連続で財政供給を行ってきたが、欧州委員会は積極的に行動することはなかった。特別円卓会議では、提案中のEU特別担当官がこれからいかにしてチベット問題に対するEUの政治的関心を適切に体現できるか、さらに話し合いによってチベット問題解決をしようとダライ・ラマが努力していることを支援するため、米国の高官レベル及び制度化された確約をこれからいかにして強化できるかなどの討議がなされた。

チベット亡命政権ブリュッセル代表部から特別円卓会議に参加したケルサン・ギャルツェンは、以下のように述べている。
「米国のチベット問題調整官のこの訪問によって、チベット問題に関する欧州と米国の協力体制が促進されるよう希望する。チベット人と中国政府間の関係の現状は大変脆いものであるが、EUチベット特別担当官の任命によって回復へのプロセスが強化されることを強く信じている」

米国国務次官(地球規模問題担当官)でチベット問題特別調整官であるポーラ・ドブリアンスキー博士(以下、ドブリアンスキー国務次官)は、欧州議会チベットインターグループで演説を行う機会を得たことに感謝の意を表し、中国とダライ・ラマ、またはその代表団との対話を促進するために、EUの担当者とより実りある協力体制を持ちたいという希望を強調した。ドブリアンスキー国務次官はまた、欧州議会が1998年と2002年にEUチベット特別担当官の任命を要求した事実を改めて表明した。

この日の特別円卓会議を開催した欧州議会チベットインターグループのメンバーは、チベットに対して多国間で共通したアプローチを取ることを要求した。メンバーらは、欧州と中国の人権問題に関する対話が、交渉に基づくチベット問題の解決策を支援する緊急な課題に対しては不十分であるとし、EUチベット特別担当官の任命の必要性を改めて強調した。

この席上、マン氏は以下のような結論を表明した。
「欧州内ではチベットを支援しようという一般人の大きな動きが見られるにもかかわらず、EUは、効果的なチベット政策を採択しようとしていない。EUチベット特別担当官の任命は、交渉に基づくチベット問題の解決を確実に促進しようとする米国の決断と一致するものだ。そして、チベット問題に対する見解について、欧州とチベットではいくらか相違があることも示唆するだろう」

ダライ・ラマは、1988年、ストラスブールの欧州議会で行った演説の中で、中華人民共和国におけるチベットの真の自治権の要求を初めて提唱した。しかし中国は、ダライ・ラマがチベットの独立を実際には求めているのだと主張している。2002年の9月、2003年の5月・6月と、ダライ・ラマ代表団の2回の訪中まで、両者の間では10年間直接交渉が行き詰まっていた。

今回の特別円卓会議は、チベット亡命政権ブリュッセル代表部、およびインターナショナル・キャンペーン・フォア・チベット・ヨーロッパの協賛で、欧州議会チベットインターグループによって開催された。