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新たな取締りで十二人のチベット人拘置 若い僧侶の焼身自殺に端を発した抗議行動で、緊迫度高まる

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(2011年4月13日)

2011年3月29日\中国支配に抗議する僧侶の焼身自殺の後、高校生のハンストをはじめとする抗議行動が拡大するなか、中国公安当局は取締りを行い、12人のチベット人を拘置した。

インド在住のチベット人僧侶らが現地情報筋から入手した情報によると、そのうち8人は、3月23日、中国四川省のンガバ・チベット族自治県で『フリー・チベット』『ダライ・ラマ法王をチベットに』、『チベットに独立を』といったスローガンを詠った100人規模のデモの実施後、拘置された。

ダライ・ラマ法王は、チベットの宗教的指導者で、1959年に中国の占領に抗する蜂起に失敗した後は、亡命地でチベット人を取りまとめてきた。最近、ダライ・ラマ法王は政治活動からの引退を表明し、インドのチベット亡命政権トップの地位を、新たに選挙で選ばれる首相に譲ると表明している。

インド在住の僧侶によれば、ンガパ県ザムタン郡のナダでは、デモ参加者が中央広場を三周すると、中国公安局が闖入し、彼らに襲い掛かり、デモを中止させた、という。

とある僧侶は、「8人のチベット人が拘置され、そのうち1人は、ナダの学校教師だった。中国の武装警察は現在、町をパトロール中で、ンガバ県の主な地域は厳しい監視下にある。警察はデモに参加したチベット人を探している」、と述べた。

挑発的抵抗
先週、2008年、ンガバ県キルティ僧院で起きた抗議行動で、中国公安局が群集に火を放ち、少なくとも10人が殺害された事件から3年目の記念日を迎えたが、それ以降、チベット人による挑発的抵抗運動が続いている。

また、これとは別に、中国公安局は、去る3月17日にチベットにおける中国支配に抗議して自らに火を灯して焼身自殺した20歳の僧侶、プントックの叔父と弟を含む3人を拘置した。

彼らには、プントックの抗議行動に加担したとの嫌疑がかけられている。

「3月22日、プントックの弟で、兄同様、キルティ僧院在籍の僧侶であるロプサン・ケルサン(19歳)と、母方の叔父であるロプサン・ツォンドゥ、そして、サンドゥップというもう1人のキルティ僧院在籍の僧侶が拘置された」と、インド在住の僧侶の一人は語った。

また、プントックの死に伴い、ンガバ県立高校の生徒は抗議のためのハンガー・ストライキを始めた模様。

「中国当局は生徒と教師の多くから携帯電話を没収し、学校内外の動きを制限しているようだ。そのため、生徒らは家族と連絡を取ることができず、彼らの状況を外部から知ることが困難になっている」と、僧侶は語った。

ハンガー・ストライキが現在も続いているかどうかは不明である。

治安維持活動の強化
中国当局は、プントックが住んでいたキルティ僧院周辺での取締りを強化し、僧侶を脅し、彼らの行動を制限している。

「3月25日には12人前後の中国人民軍兵士が僧院内に入り、テンジンという21歳の僧侶を拘置した。逮捕の理由、および連れて行かれた場所は不明であり、3月27日現在、彼は釈放されていない。毎晩、中国の武装警察は、警察犬を連れてキルティ僧院をパトロールしている」と、インド在住の僧侶の一人は語った。

チベットの情報筋によれば、現地当局は、キルティ僧院近隣の村々で住民の招集をかけ、「治安維持行動」の一環として僧院に出頭するように求め、求めに応じなかった者は一日につき、30元(4.6米ドル)の罰金を科す、としている。

また、違う情報筋の情報として、インド在住の僧侶は、中国の公安当局は、中国四川省内のカム地方の主要地域であるタウォ、ニャゴン、ダゴ、カルツェツォンといった場所に大量動員を開始した、との情報を提供した。

治安維持のための人員の集結により、地元のチベット人のあいだの恐怖心は高まっている。「状況は、チベット人の平和的抗議行動を弾圧するために中国が軍を送った2008年と似ている」と、僧侶は語った。

さらに、カム・ミニャク地方の現地当局は、地元の僧院の建設や改築には、県の事前許可が必要とする規制を新たに課すようになった。また、高さ5フィート(1.52メートル)以上の宗教的オブジェを新たに作成する際にも当局の承認が必要になった模様である。