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新しい鉄道がチベットを壊滅させる チベット近隣の安全に影響を与えるだろう

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2001年5月15日
ダラムサラ

「計画中のラサ—ゴルムド間の鉄道は、さらなる中国人移住者がチベットに押し寄せ、チベットの未開発資源が中国へと流れていくことを意味する」 北部インドに拠点を持つチベット中央政府の情報・国際関係省大臣TCテトンは、こう語った。さらに…

「チベットは自ら、中国人移住者に全て占拠され完全に中国化された内モンゴルや満州と同じ道をたどることになるだろう」
「これは、チベット中央部と中国を結ぶ線路を建設するという決定が政治的なものであり、中国のチベット高原支配を強固にするための強い政治的・軍事的な目的があるためである」
「計画の継続性が無いと専門家が異議を唱えているにも関わらず、鉄道計画を進める決定をしたことで、チベットだけではなく、近隣諸国にも、重大かつマイナスの影響を与えるだろう。なぜなら、この計画によって、中国がさらに多くの軍隊を動かし、広大なチベット高原全体に即座に配置させることができるようになるからである」

ラサ—ゴルムド間の鉄道建設は中国の全国人民代表者大会と国務院の双方によって、今年3月に決定された。鉄道でチベットと中国を結ぶという計画が討議されたのは、1950年代にまでさかのぼる。当時の中国の技術力では、チベットのこの地域の特徴ともいえる広範囲に連なった永久凍土層・湿地・高い山頂などの極めて厳しい地形学的な問題に合わなかったため、この計画は棚上げされた。現在でさえ、専門家は、こうした永続的な「自然」という障害物を克服するだけの技術的なノウハウや能力が中国にあるかどうか疑念を抱いている。

ラサ—ゴルムド路線は全長1,118kmで、全体で30梁の橋を建設してさらにトンネルを掘る必要がある。橋とトンネルの全長は20km以上に及び、線路の2.8%ほどを占める。中国側は、今年度の中頃あたりには線路の建設を開始し、1995年の物価指数に基づいた鉄道建設全体の予定経費は234万ドル(1,940万元)もの膨大な額になると発表した。これは初の鉄道線路である。しかし、この他にもチベット—中国間を結ぶ3本の線路が計画されている。1本はチェンドゥ—コンポ—ラサのルート、そしてダリ—コンポ—ラサ、さらにランゾ—ナクチュ—ラサである。

これらの計画は、この種のものでは最大で、「国防並びに国内の安定」を促進し、さらにチベット経済を中国経済の本流にまとめていくことを目指している。
専門家は、こうした巨大なプロジェクトのコスト分析と同時にこのプロジェクトの将来的な財政的利益が4本の線路を完成させる際の莫大な経費をカバーできるのかどうか討論している。

ラサ—ゴルムド線の建設のために、中国政府はチベット国外から約67,000人の労働者を雇い、現地人の雇用は約16,000人であった。専門家は、間接的な費用、例えば課税の免除や農地・田園に対する補助金などが大きな脅威となっていると感じている。これ以外にも、鉄道路線がチベットの脆弱な生態系に影響を与え、侵食・沈泥・汚染を悪化させる恐れがあるとの深い懸念がある。

テトン氏は語った。「我々は開発そのものに反対ではない。しかし、我々は、チベット人が何も言えず、チベット人の独自の文化を維持する力を衰えさせる一因となるような開発プロジェクトには、断固反対する」