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拘留中のトゥルク・テンジン・デレクがハンガーストライキ

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(2003年1月10日 インターナショナル・キャンペーン・フォア・チベット(ICT)

チベット仏教高僧トゥルク・テンジン・デレクが、拘留状態(情報によると拷問も含まれる)に反対するためハンガーストライキを開始した。トゥルク・テンジン・デレクは、爆発事件に関連して先月行われた公正性を疑われる裁判により死刑求刑を受けている。

情報によると、トゥルク・テンジン・デレクの上告は1月10日に実施されるとされていた。中国の司法制度が透明性を欠くため、トゥルク・テンジン・デレク及びロプサン・トントゥプの裁判と事実関係については、多くの矛盾する報告があり、事実確認が困難である。(中国での死刑に関する法令については下記を参照)そのためICTでは、状況の監視と最新情報の提供を継続する予定である。確かな情報によると、トゥルク・テンジン・デレクは、中国政府が公正な裁判を実施することを拒否したとして、1月6日からハンガーストライキを開始した。彼は、四川省カンゼ(甘孜)州のチベット族自治州ダルツェンド(康定)で拘留されている。ハンガーストライキは、中国中央政府の2名の官吏が、トゥルク・テンジン・デレクを訪問した日から始まったという。情報源である人物は、この裁判に近い立場にある人々と接触がある。トゥルク・テンジン・デレクは2人の官吏に対し、彼らが事実を究明することに興味がないため、自らも尋問にこたえる意志がないことを伝えたという。

王力雄のベストセラー 「黄禍」の表紙

ハンガーストライキのニュースは、トゥルク・テンジン・デレクが北京の著名な弁護士であるツァン・シチ(Zhang Sizhi)とリ・フイジェン(Li Huigeng)に弁護を拒否されたことに続くものである。また、情報源によると、リンポチェは、拘留中に身体的な拷問を受けているという。この情報は確認されていないが、ICTはこの情報源が信憑性が高く、またこの裁判に近い立場にある関係者と直接接触を持っていると信じるものである。上告の予定が2003年1月10日であることは、1月8日のラジオ・フリー・アジアでの中国人作家王力雄(Wang Lixiong)のインタビューでも確認されている。王力雄は、トゥルク・テンジン・デレクへの法的支援を提供している。

王力雄 Wang Lixiong

また、その情報源によると2002年4月にリンポチェと同時に逮捕された3名の僧侶の所在に関する情報はないという。3名の僧侶、ツルティム・ダルゲ(36歳)、タドィン・ツェリン(33歳)、及びアシャ・ダルゲ(40歳)は、トゥルク・テンジン・デレクと働いていたと考えられる。4番目の僧侶であるパサンは、その後釈放されている。

中国の法令における死刑について

法律が適切に適法された場合、トゥルク・テンジン・デレクが、即座の危険に直面することはない。ロプサン・トントゥプに関して、中国の刑法48条が適応されるべきである。つまり最高人民法廷がこの判決を認証し、確定しなければならない。

【参考】中華人民共和国刑法

  • 第48条:死刑は、極度に重大な罪を犯した者のみに適応される。即時の刑罰としての死刑が、必要でないと判断される場合、2年間の死刑執行の猶予が、死刑判決と同時に宣告される。全ての死刑判決は、最高人民法廷で確定される法令に基づく場合を除き、最高人民法廷に提出され、認証と確定を受けなければならない。猶予を有する死刑判決は、より高次の人民法廷において決定もしくは認証と確定を受けなければならない。
  • 第49条:死刑判決は、犯罪時18歳以下の者と、裁判時に妊娠中である女性には適応されない。
  • 第50条:死刑判決を受けた者が、猶予期間中に、作為的な罪を犯さない場合、刑罰は、2年間の猶予期間の終了を受けて、終身刑に減刑されるとする。死刑判決を受けた者が、顕著な功績を行った場合、刑罰は2年間の猶予期間終了を受けて、15年以上20年以下の懲役に減刑されるとする。死刑判決を受けた者が、作為的な罪を犯した場合、最高人民法廷の認証と確定の後、死刑が執行されるものとする。
  • 第51条:死刑猶予期間は、最終判決が確定した日より勘定するものとする。死刑判決から減刑された懲役期間については、死刑猶予期間終了日より勘定するものとする。