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懲役12年の冤罪判決を受けたチベット人が、2年早く釈放

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2022年9月9日
スタッフレポーター

ペマ・ドンドゥプ氏

ダラムサラ:2012年に甘粛省チベット自治区のサンチュ (中国名: 夏河県) で焼身抗議を行った後、「殺人罪」で不当に告発を受け懲役12年の刑に服していたペマ・ドンドゥプ氏を中国当局が釈放したと、2022 年 8 月 31 日早くにラジオ・フリー・アジアが報じた

報道によると、ペマ・ドンドゥプ氏は、刑期を終える2 年前となる2022 年 8 月 31 日に釈放されて以来、「恒常的な中国当局による監視と制限」の下に置かれている。 釈放されたペマ・ドンドゥプ氏は、家族に迎えられた。しかし、ラジオ・フリー・アジアによると、彼らは写真を撮影したり、釈放に関して電話で話すなど外部とのいかなる接触も禁じられている。情報筋によると、彼の健康に関する境遇が不確かであるにもかかわらず、ペマ氏は、「外見に基づいて健康そうだ」と信じられているとしている。

不法で十分な証拠のない中で「殺人罪」との主張

2012 年 10 月 23 日午後3時30分頃、ドルジェ・リンチェン氏(58歳) は、ラブラン僧院近くの夏河県に所在する中国軍キャンプの近くで焼身抗議を行った。僧侶とチベット人らは、燃え上がるドルジェ氏に駆け寄り、すぐに炎を消そうとしたが、警察部隊が彼らの進路を塞いだ。ドルジェ氏は、最終的に焼死し黒焦げになった遺体は埋葬のために彼の村であるチベット自治区シャンザユ(中国名:上察隅鎮)に運ばれた。これに先立って焼身抗議現場では、中国当局と地元のチベット人との間で小規模な乱闘が起こり、この悲劇的事件のニュースを遮断するため犠牲となったドルジェ氏の遺体を撤去しようとする警官隊の試みを阻止した。

その余波で、ドルジェ・リンチェン氏の焼身抗議に関連してペマ・ドンドゥプ氏は、他の6 名のチベット人と共に逮捕された。ペマ氏は、「殺人」の容疑で夏河県人民裁判所から懲役 12 年の判決を受けた。 ラジオ・フリー・アジアによると「ペマ・ドンドゥプ氏は、中国の支配に異議を申し立て焼身抗議を行ったドルジェ・リンチェン氏を殺害した罪で有罪判決を受けたが、彼は焼身抗議の後にリンチェン氏の遺体を扱っただけだった」。

また、ラジオ・フリー・アジアによると焼身抗議者を「救出」しようとする警察の活動を阻止したとしてパドマ・タムドル氏、ケルサン・ギャムクツォ氏、パドマ・コー氏、及びラモ・タムドル氏は、「故意的な殺人」の罪で有罪判決を受け、それぞれ12 年、11 年、8 年そして7 年の禁固刑を言い渡されたと国営メディアを引用して報じている。また、報道によると、他の被告2名、ドー・ゲキャップ氏とヤン・モンジェ氏は、「現場に混乱を引き起こした」ことと、焼身抗議後に地元の交通を妨害したことで、それぞれ 4 年と 3 年の刑期を宣告されたとしている。

報道によると、ドルジェ氏の焼身抗議に関連して刑を宣告された 7 名のチベット人は、釈放されたにもかかわらず、依然として地元当局の監視と制限下にあるとしている。
2009 年以来、少なくとも 157名のチベット人が、チベット国内での中国の弾圧に異議を申し立て、焼身抗議を行っている。

-国連、EU、人権デスク、チベット擁護セクション及び中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)により提出。

オリジナル記事

ドルジェ・リンチェン氏

(翻訳:Sakura Nakayama)