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宗教の役割について熟慮する中国指導者たち

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2002年3月4日
北京(ワシントン・タイムズ フランス通信社)

ブッシュ大統領が中国訪問中、信教の自由を訴えかけたことにより、この問題が大きくとりあげられることとなった一方で、宗教がすでに共産党上層部において真剣に討議されているという事実が明らかになってきている。

中国は、市場に基づいた改革のために、マルクス主義経済をおおかた放棄している。そして最近出された声明は、同様のプラグマティックな寛容さが宗教の面においても適用されつつあるということを示しているようだ。

中国共産党のイデオロギーは大きく変容しつつも、その理論的基礎は、宗教は社会安定にいかに貢献し、理論上は無神論の共産党が政権を保持するのにいかに役立つか——というシンプルな問題に基盤をおいているように見える。

この問題については、一党独裁制を弱体化することなくして党をいかに変革するかという命題について革新的な意見を持つ国務院経済体制改革弁公室副室長潘氏により、簡単な言葉で答えられている。

「政府と宗教との新しい関係は、革命党から支配政党への移行にとって好都合である」と潘氏は12月に多くの新聞に掲載された記事のなかで書いている。

また、「宗教は、モラルを高め、犯罪に立ち向かうといった明白な利益を社会にもたらすことになるし、宗教を奨励しても、共産党の一党独裁にとくに影響を与えることはないだろう」とも述べている。

「中国の歴代皇帝は、当時優勢だった仏教と道教をうまく統治に利用していた」と、潘氏は付け加えている。この潘氏は、資本主義者も共産党に参加することを許可されるべきであるという、江沢民が最近発表し論争を巻き起こした勅令の背後に存在するブレーンのひとりである。

このように、ブッシュ大統領の信教の自由を求める感動的な訴えかけは、少なくとも——たとえそれが自由という高邁な理想からのものではないとしても——多少は実現させることができていると関係者は推測している。

その論議を巻き起こした潘氏の記事は、中国の指導者たちが宗教問題について討議し、仏教系気功団体法輪功に対する二年間の厳しい弾圧の影響について考えるために、北京にて一堂に会するのと時期を同じくして刊行された。

中国筋からの情報によると、その会議において、国家が制裁を講ずる綱領を守らぬ信者たちを組織的に弾圧することを、抑制するよう地方役人たちは命じられたといわれる。

中国は、五大宗教——仏教、道教、イスラム教、カトリック、プロテスタント——の流れを汲むさまざまな宗教を容認はしているものの、厳しい監視下において統制している。

会議期間中、江沢民主席はそうした信者たちの、中国の現代化への貢献をほめたたえたといわれている。 「問題は、このことが宗教政策の方向性を変えることにつながるか否かである」と北京の宗教研究所教授の任氏は考えている。

当局側は、少なくとも宗教弾圧は行き過ぎであったと考えている向きがある、と見る人々もいる。

「かなりの変化が生じてきていることは確かである。当局は、中国の伝統的慣習のある面を無視してきたことを認め、法輪功の迫害においても行き過ぎがあったことを認めている」と、北京の外交筋は語った。