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報告書: 中国のアップル製品製造工場で、チベット人お断り

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(2013年7月30日 Phayul

Pegatron recruitment poster, specifying their employment criteria: “Hui, Sala, Yi, Tibetan, Uighur etc. who have unique lifestyles and customs will not be accepted.”
(Translated by Free Tibet)

7月30日ダラムサラ: 7月29日、雇用に際してチベット人を含む思想的少数派に対し差別を行っている、中国のアップル製品製造工場が労働権利団体により告発された。

アメリカに拠点を置くChina Labor Watch (中国労工観察、以下CLW)は、アップル社の主要供給元である、ペガトロングループの3工場での労働者の権利侵害について報告書をまとめた。調査によると、36件の法令違反、50件の倫理侵害を含む、少なくとも86件の労働権利侵害が明らかにされた。

CLWは中国の回族、チベット人、ウイグル人を含む、いわゆる思想的少数派の雇用を拒否するというようなペガトロン社の「差別的雇用の実態」を告発している。

また採用担当者たちは、妊婦や35歳以上の就職希望者を排除しているとも報告している。

ペガトロン社はiPhone 4、iPhone 4s、iPhone 5などのアップル製品を初めとする製品の部品組み立てを行っている。

CLWは今年3月から7月にかけて、合計7万人が働く上海とその近郊の蘇州の工場を内密に調査し、約200人の労働者にインタビューを実施した。

CLWによると、ペガトロン社の労働者の大半は、中国の最長法定労働時間49時間を遥かに上回り、週66時間から69時間労働していた。妊婦の労働者も1日の法定労働時間の8時間を超え、11時間の労働を強いられていることもあった。また、労働違反を隠蔽するために、労働者たちはタイムカードの記録を偽るよう圧力をかけられていた。

報告によると、多くの労働者は18歳以下で、職業学校からのインターン生も含まれていた。

女性差別、超過労働時間、劣悪な環境、健康や安全の問題や公害といったことに対する違反行為をCLWは発見した。

29日、イギリスに拠点を置くフリーチベットは、雇用における思想的差別は中国労働法に違反している、と発表した。そして現実問題の面でいうと、中国に占領されたチベット自治区内であっても、中国国内で暮らす、旅行をする、又は仕事を探す場合、チベット人は頻繁に様々な差別の対象になっていると伝えた。フリーチベットは、ペガトロン社の求人広告にある写真について「回族、サラ族、イ族、チベット族、ウイグル族等の固有の生活様式や習慣を持つ人々は受け付けていない」と主張していると解釈している。

また、「チベット人は中国において、組織的かつ法的保護からも外れた差別に直面している。中国や中国企業に関わる全ての企業は、チベット人やその他労働者の権利を保証する責任があると自覚しなければならない」とフリーチベットの責任者、エレノア・バーン・ローゼングレンは述べている。

カリフォルニア州クパチーノに拠点を置くアップル社は、「安全で平等な労働条件を義務付けて」おり、ペガトロン社の件は調査する予定と述べた。これとは別に、ペガトロン社の代表もこの件を調査すると約束している。


(翻訳:TY)