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国連、ワールドサミットでチベットの主張を黙殺

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2002年4月2日
ニューヨーク

G77参加国を直接的に操る中国は、国連の持続可能な開発のための世界サミット(United Nations’ World Summit on Sustainable Development: WSSD)において、国際フォーラムへのチベットの参加を妨害している。

「市民社会に対する組織的除外に関するこの政策は、WSSD、国連およびその進行過程において、その高潔さを汚すものである」と、米国に本部を置くNGO、チベット・ジャスティス・センター(Tibet Justice Center)のタシ・セリン氏は語った(www.tibetjustice.org)。

「国連は、中国—チベット間におけるそれぞれの利害関係について、建設的な意見交換を支持することがまたもやできなかった」

「世界がテロ根絶のために躍起になっている時に、非暴力による新しい紛争解決方法を実行している者達が黙殺されているということは何とも皮肉なことです」と、センターの環境委員会会長のダーシー・リチャードソン氏は述べた。「我々は、本質的に異なる2国間に実りある会談を実現させるため、全てのハンディキャップに立ち向かって活動している小さなNGO団体です。私は、世界の国々が手を取り合って建設的なプロセスを支持する日が来ることを信じたいと思います」

すでに中国は、環境および開発に関する問題について、チベット・ジャスティス・センターの適合性や正当性を認めている。2国間における直接的交渉では、実質的に1996年と2000年の世界保護団体(World Conservation Union: IUCN)会議での水の管理に関する合意が結ばれた。

「チベット・ジャスティス・センターは、最近の準備委員会(PrepCom)およびヨハネスブルグのWSSDにおいて、この対話を引き続き行っていこうと呼びかけています」と、セリン氏は述べた。「我々は、これからも参加する権利を掲げて闘っていきます」

しかしながら、そのような期待は薄いのが現実である。中国は、2月に開催されたWSSDの第2回準備委員会会議において、「ノー・アクション」(”No Action” 「非行動」)運動を行ってインターナショナル・キャンペーン・フォア・チベット(International Campaign for Tibet:ICT「チベットのための国際キャンペーン」)の認定を妨害した。ICTの正当な主張は、環境および持続可能な開発に関する国際的な会合がもたれるという場において、その会議が現実のものとなる以前に終了させられてしまった。「国連は、『オープンで、透明性があって、参加数の非常に高い会議の進行』を約束している」と、センターのタシ・セリン氏は語った。
「それなのに、中国政府は、自身の政治的関心事への手続きを強要している」
中国は今週にも、チベット・ジャスティス・センターの認定に関して、同様の活動を行う予定である。

「これはもう、持続可能な開発のための世界サミットとは言うことはできません。これでは、中国のサミットです」と、チベット・ジャスティス・センターの社長であるデニス・キューサック氏は述べた。

「中国が露骨な検閲をおこなっている間、その他の国々はただ黙ってそれを傍観しています。国連や市民団体の態度は非道で、誰が今度は中国のリストに記載されるか見ているという状態です」