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国境なき記者団:チベットを取材したフランス人ジャーナリストに対する脅しを糾弾

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(2013年6月12日 CTA

ダラムサラ:国境なき記者団は、France 24のレポーター、シリル・パヤン(Cyril Payen)氏がチベットを取材した映像『セブン・デイズ・イン・チベット(Seven Days in Tibet)』を5月30日にFrance 24で放送、生放送で討論を行なった後、複数の中国人外交官から脅しを受けていることを伝えた。

パヤン氏は7日間のビザを取り、5月にチベット入りした。外国人ジャーナリストのチベット入りは通常禁じられており、中国警察が監視しているため、チベット本土でチベット人が行なっているデモを報道することはできない。パヤン氏は密かに首都ラサのチベット人にインタビューし、ビデオに収録した。「現在のラサはまるで占領下にあり、一般市民が常時監視されている」と語るパヤン氏に対し、France 24は「彼が見てきたことは、チベット文化が消されつつあると訴えているダライ・ラマや人権擁護団体の主張をさらに重く受け止めさせるものである」と伝えた。

また国境なき記者団は、次のように伝えた。「パヤン氏は6月3日にパリを出発し、バンコクに向かった。France 24は、パリの中国大使館からパヤン氏との面会を求められたが、すでにパヤン氏は出国していたため、CEOのマルク・サイカリ(Marc Saikali)氏がFrance 24にやってきた2人の大使館員と面会した。大使館員は間違いだらけの虚偽の内容を放送したとして2時間にわたって局を非難し、ウェブサイトからの削除を求めたが、局はこれを断った」

6月4日、バンコクに到着したパヤン氏のもとに、中国大使館員による脅しと受け取れる電話やメッセージが入った。パヤン氏に対する大使館の嫌がらせは一層ひどくなり、匿名の電話が数回、匿名のメッセージが何通も送られてきた。昨日、大使館員の女性が残したメッセージはあからさまな脅しと思われた。それは最後通牒であり、本日までに大使館に出頭し、中国ビザを取るためになぜ“ごまかした”のか説明するよう求めるものであったとされる。またその女性は、出頭を先延ばしにせず、大使館の求めに応じること——さもなければ、拒否した“責任を取ってもらう”、と述べたとされる。

国境なき記者団は、中国政府の態度を厳しく非難し、「マフィアを思わせかねないこのような態度は、上級外交官の態度として受け入れ難い」としたうえで、次のように述べた。

「中国大使館が報道内容に対する意見の不一致を表明するのはわかる。しかし、フランスやタイ駐在の中国人外交官が報道機関を脅して編集内容を修正させようとしたり、ジャーナリストを尋問の目的で呼び出そうとするのは全く受け入れ難い行為である。中国においてはこのようなやり方は間違いなく普通であり、それは悲しむべきことである。しかし、自由のある国ではこのようなやり方は通用しない。フランス人ジャーナリストに対して彼ら外交官が行なった電話による脅しは、訴訟問題にさえなりかねない。

我々はフランス当局に対し、このような受け入れ難い行為についてパリの中国大使館の代表者を呼び出して抗議するよう強く求める。フランス当局は、中国政府がフランス人ジャーナリストに対してこのような攻撃的な方法で情報の自由を侵害したことを強く非難すべきである」