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国境なき記者団がヤフーとグーグルを非難 「中国のインターネット検閲に加担している」

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(2004年7月27日 AFP)

パリに本拠を置く国際的な報道の自由擁護団体である「国境なき記者団」http://www.rsf.fr/は、二大インターネット・サーチ・エンジンのヤフー(Yahoo!)グーグル(Google)を、「中国政府によるウェブ・ページへのアクセスの取り締まりに協力している疑いがある」として激しく非難した。

「国境なき記者団」は、「米国のインターネット運営会社ヤフーとグーグルが中国政府の検閲に直接的・間接的に加担するような無責任な方策を取っていることを遺憾に思う」と語った。各国政府によるインターネット検閲に対処することを目的とする「世界インターネット自由法」が、2003年7月米国下院で議決された。「国境なき記者団」は米国に、抑圧的政権下における企業活動においてもこの「世界インターネット自由法」を適用するよう強く求めた。

「国境なき記者団」は、ヤフーが何年にもわたって中国語サーチ・エンジンを検閲しており、検索結果を制御している中国のサーチ・エンジン「百度(バイドゥ)」社http://www.baidu.com/の株を最近購入したグーグルも同じ方向に進みつつあると危惧している。去年12月、「国境なき記者団」はヤフーの会長兼社長のテリー・セメル氏に訴えたが、何の応答も得られなかった。

「ヤフーとグーグルが中国市場制覇のために妥協していることは、表現の自由を直接、脅かすものである」
「国境なき記者団」声明より

7月27日、中国語版ヤフー(http://cn.yahoo.com/)で「チベット独立」の検索すると、検索結果は0件。一方、「台湾独立」で検索すると、独立の動きを非難する大陸側(中華人民共和国)のウェブサイトのみが表示された。 グーグルhttp://www.google.com/intl/zh-CN/)で同様の検索を行ったところ、「チベット独立」は0件、「台湾独立」は台湾のサイトを含むリストが表示されたが、アクセスは拒否された。 中国の最も著名な反体制活動家(中国民主活動家、現在アメリカ在住)の名「魏京生」をヤフーで検索すると、魏京生に批判的な大陸側のウェブサイトしか表示されなかった。またグーグルでは、「表示不可能」の画面しか出なかった。現在のところ、両社からこれに対する何のコメントも得られていない。

「国境なき記者団」はさらに、「他の米国ハイテク企業シスコ・システムズも、中国政府がインターネット、ユーザー、及びメッセージの全てを監視できるよう高度な技術を提供している」と糾弾した。シスコ・システムズは、コンテンツに含まれる反体制的なキーワードを発見する監視システムを構築するための必要なルーターを数千台中国に売っている。

中国政府は長年、西側メディアや、政治・宗教的反体制派、その他共産党政府にとって脅威とみなされる分子に関連する数百ものウェブサイトを検閲してきている。「国境なき記者団」は、米国のローン・クレイナー民主主義・人権担当国務補佐官、アール・ウェイン経済・商務担当国務補佐官宛てにこうした状況を書面で訴えている。