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主席大臣が日本に中道政策への支持を要請

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2017年2月13日
東京

チベットの政治的指導者ロブサン・センゲ主席大臣は日本政府に対し、チベットの真の自治を求める中道政策への支持を要請し、同政策は中国政府の統治に矛盾せず、チベット、中国双方にとってウィン・ウィンの解決方法であると主張した

主席大臣は、東京でチベット問題解決に向けた一般講演を行い、次のように述べた。
「私たちが求めるのは、非暴力によるチベットの真の自治であり、中国政府はこれにノーとは言えないはずです。バラック・オバマ前米大統領は、ダライ・ラマ法王との対話の中で、中国の統治と『一つの中国』の政策に矛盾しない中道政策を継続して強く支持すると表明しています。600万人のチベット人のためではなく、チベットの正義、人権、環境のために、日本政府に支持を求めるものです」
この講演会には、作家、ジャーナリスト、チベット支援者など約300人が参加した。

共同通信社からの質問に対し、主席大臣は次のように答えた。
「トランプ大統領にも、これまでの米国大統領とダライ・ラマ法王の対話で得られた方針を維持し、中道政策とチベット人民の人権を支援していただきたい」
レックス・ティラーソン米国務大臣は、中国政府とダライ・ラマ法王の代理人またはチベット亡命政権との対話を継続して支援していくと述べている。中国政府ならびに各国政府が世界のチベット人民の宗教、言語、文化を尊重し、保護することを求めて働きかけていくと語った。

主席大臣はまた、中国を理解するためにはチベットの理解が必要であると述べた。
「中国はアジアに遍在しています。それはすべて、60年前にチベットで起こったことに関心が向けられなかったためです。国際社会、すべてのアジアの仏教国からの支援が得られていたら、チベットは中国の介入を遮断して、前進できたかもしれません。中国がチベットに侵攻したとき、多くのアジア諸国や国際社会からの支援が得られず、その影響力は中国の東、東南アジア、尖閣諸島に及んだのです」

チベットの自然環境の重要性にも触れた。
アジアの10大河川はチベット高原がその源であり、チベットはアジアの貯水塔ともいえる。チベットには北極、南極を除いて地上最大の氷河がある。北極、南極の氷が解けると海洋に流れるが、チベットの氷河が解けると河川に流れ込み、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、ベトナム、ラオス、カンボジアなどアジアの近隣諸国の10億人以上の人々のライフラインになる。

さらに、ダライ・ラマ法王は100歳まで生きられると約束してくださり、今年も法王はお元気なお姿で来日されると述べた。法王は中国共産党の多くの指導者たちより長生きされている。チベットは観世音菩薩の国であり、観世音菩薩であるダライ・ラマ法王をチベットから切り離すことはできないと語った。

中国の仏教徒は3億人から4億人を超え、何千人もの中国人がインドのダラムサラを訪れ、ダライ・ラマ法王の法話会に参加している。ブッダガヤで開催されたカーラチャクラにも中国から数千人が参加した。中国とチベットの人民の関係には問題は存在しない。チベットの問題は、中国の人々ではなく、中国政府の強硬な政策である。

主席大臣は今朝、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所を訪れ、チベット人たちへの講演を行った。

その中で主席大臣は、現在の内閣はチベットの短期、中期、長期的な方針として、5/50政策でチベット人の民族意識と、自由と尊厳の回復を保護に取り組んでいると説明した。そのためにはチベット固有の言語、文化、宗教を保護することが求められる。チベット人の民族意識を守っていくために、チベットの宗教、言語、文化への正しい知識をチベット人が持つべきである。チベット人がその民族意識を保っていく限り、チベットとその信念は失われることはない。

主席大臣は、亡命チベット人は中道政策を実行するという神聖な任務を負うと強調し、またチベット亡命政権はダライ・ラマ法王の代理人と中国政府の対話を再開し、現在の政治的抑圧、文化的同化、経済的疎外、環境破壊を終焉させる活動を今後5年間で展開していくと語った。

 

 

 

 


-Report filed by Office of Tibet, Japan-