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中国政府によるチベットでの愛国教育強化で僧侶が自殺

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(2010年7月27日)

ダラムサラ;チベット中央政権に寄せられた信頼に足る情報によると、70歳の僧侶、ガワン・ギャツォが、7月20日にナクチュ(那曲)地方にあるロンポ僧院でおきた、中国政府によるチベット人僧侶への締め付けと、ダライ・ラマ法王を非難するよう強制されたことに、耐え難い精神的苦痛を受け自殺した。

僧侶を自殺に追い込んだこの件は、度を増す愛国教育運動に伴い、ロンポ僧院で、僧侶のダワ・リンポ・チェ(公式にはドゥントップ・ナワン・トクミ)とラサのタシ・ドゥトゥプが、ロンポ・チョジェの輪廻転生について外とつながりを持ったとの疑いで逮捕されたことに端を発した。彼らは後に釈放された。
後に、35歳になるガワン・トクミは、ダライ・ラマ法王の写真を彼の部屋に置いていたため逮捕され、懲役2年を宣告されている。
さらに僧侶たちは、ダライ・ラマ法王に反逆し、ロンポ寺院のラマ・ダワが法王の仲間であるとして対抗するよう強制された。愛国教育運動が強まるに連れ、この僧院の規律担当僧の長であるタシ・テンサンとジャンパという名の僧は精神疾患に陥り、僧院を去らねばならなくなった。
こうした数々の抑圧策がガワン・ギャツォの限界を超えてしまった。深い抑うつ状態で遺書のメモを残し、自ら命を絶った。中国政府の権威は、そのメモを押収した後、他の僧侶達に彼は病気で死去したとし、自殺を口外しないよう脅しをかけた。

7月17日の早く、ガワン・ロサンという名の高僧が率いた17人の僧侶が、ダライ・ラマ法王を非難せず、またこの僧院とラマ・ダワが連絡を取り続けられるよう、理解を求めようとした。
しかし、中国政府の役人によって彼らの要求は拒否され、僧院を去るよう強制された。彼らは、週1回、政府の地方事務所にリポートを提出し、2年間は今いる場所から離れないという、厳しい要求を受けた。
同僧院で7月21日にあったダライ・ラマ法王を非難するセッションの間、僧侶のケンラブ・ノルブは、僧院とラマ・ダワが連絡を取るのに規制があるのなら、僧院に居続けるに値しないと発言した。彼は権力者が鍵を持つべきだと言って鍵を放り投げ会議から出たが、その後逮捕された。彼は今も警察の留置所にいる。他に、ガワン・ノルブという名の僧侶は、会議中に役人を押したとして再拘留された。

ロンポ僧院で起きている中国政府による抑圧措置は、僧侶の恣意的な逮捕や、僧侶たちの期待に反した尊敬すべき教師たちの過小評価、高僧の自殺を招いている。


(翻訳:長沼)