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中国のダライ・ラマ使節団受け入れ、骨抜きに

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(2007年7月3日 ロイター)

(北京)中国政府は、3日火曜、ダライ・ラマ使節団の訪中を公式なものではないとし、明確な対応を避けた。その一方で同使節団に対し、亡命中のチベットの精神的指導者が中国の政策を理解し正しい選択をするよう促すことを迫った。

チベット亡命政権によると、使節団としてロディ・ギャリ氏、ケルサン・ギャルツェン氏が、今週、訪中。共産党中央統一戦線工作部と6回目の協議を行うのが狙いだという。同部は宗教指導者らの問題を扱う。

中国外交部の奏剛報道官は、定例記者会見の席で「はじめに、ロディ・ギャリ氏一行は所謂ダライの使節ではないことを明らかにしておきたい」と述べた。

同氏は、「チベット人同胞は、毎年、視察を目的に中国に戻り親族らを訪問している。2002年以降、ロディ・ギャリ氏らは幾度となく戻って来てはチベット地区をはじめ各地を訪ねて回り、同志や親族らに会い調査を行っている」と話した。

同訪問団は、共産党幹部らの面会を受けたが、報道官は誰が面会したかを明らかにしていない。

奏報道官は、訪問団がダライの比較的近い立場にある者であるとしながら、「中国としては、訪問団には訪中の機会を大切にし、真摯に状況を見つめてもらいたい。(インドに)戻った際はダライに事実に基づいた報告をすることを望む。ダライが状況を正確に把握し、中国の政策を理解することで正しい選択を行うよう促してもらいたい」との意向を示した。

共産党支配に反対し暴動が起きるが失敗。1959年、ダライ・ラマは仏教徒が大半を占める祖国を脱出し、インド北部の丘陵地、ダラムサラで亡命生活を送っている。

2002年以降、中国とダライ・ラマの使節団は協議を行ってきたが、実態は謎のままで、ほとんど進展がない。

先週、米国務省のマコーマック報道官は、両国間協議が長年続く紛争状態の解決に向け着実な進展をもたらすことを希望しているとの立場を示し、ブッシュ米大統領が中国に対しダライ・ラマを招聘するよう促したことに言及した。

ダライ・ラマによると、同氏の意向は祖国の独立ではなく自治権の拡大であるというが、中国政府はダライ・ラマを分離主義者とみなしている。