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中国、鉱物資源の乱開発に対するチベット人の抗議を弾圧

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(2011年2月11日 ダラムサラ)

中国政府は、チベット自治区シェートンムン(Shethongmon:謝通門)県で行なわれている鉱物資源の乱開発に抗議しているチベット人を弾圧するため、武装警察と治安部隊を大量配備した。

ダラムサラ:2010年11月22日、中国政府採鉱課の役人たちがリンカ僧院近くの採掘現場に近づくと、リンカ僧院の僧侶とタモ地区の一般市民たちが抗議の声を上げた。
抗議者たちが採掘の中止を訴えると、中国政府採鉱課の役人と地元政府の役人は抗議者たちを丸め込んで採掘作業を継続しようとした。

狡猾なトリックに流されなかった抗議者たちは、11月22日から12月18日まで採掘作業の反対を訴え続けた。
抗議者たちを追い払うため、シェートンムン県(Shethongmon:謝通門)の地元政府が武装警官を送り込むと、武装警官と抗議者たちとの間で激しい口論が始まった。数において抗議者たちよりも劣勢であった武装警官は、抗議者たちを穏便に追い払おうとしたが失敗に終わった。

しばらくすると、抗議者たちを弾圧するため、シガツェ(Shigatse:日喀則)から大量の公安部隊と軍隊が送り込まれてきた。その結果、大勢のチベット人が激しく殴打され、逮捕された。
この弾圧により、ケンポ・ケルサン(49歳)、ジャミャン・ツェリン(38歳)、ツェワン・ドルジェ(37歳)、リジン・ペマ(35歳)、ジャミャン・リサン(34歳)ら、5名のリンカ僧院の僧侶が逮捕された。
また、約12名の一般市民が逮捕された。内2名が釈放されたが、残りの逮捕者は今もシェートンムン県およびシガツェ付近の拘置所にいると思われる。

チベット人の意思に反して中国政府が強硬的に鉱物採掘を行なうケースは、シガツェにおいては今に始まったことではない。2010年6月5日、ナムリン(Namling:南木林)県ソチェン(Sogchen)村のチベット人たちが地元の豊富な鉱物資源が搾取されていることに対して、強いながらも平和的な抗議を行なった。警察と軍隊は武力でこれを鎮圧。抗議者の多くが激しく殴打され、約30名が拘留された。拘留者たちの行方は今なお不明である。


(翻訳:小池美和)