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中国、ダライ・ラマとの対話を「意味なし」とコメント

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(2007年7月29日 ヒンドゥー新聞)

鄭州 7月29日(PTI): 中国は、ダライ・ラマの特使と行なった最近の会談で、チベット問題の行き詰まりの打破を果たせないでいる特使たちに、「チベットの精神的リーダーであるダライ・ラマがチベットの独立に固執しているかぎり、対話は無意味である」と主張した。

昨日、チベット自治区人民政府の副主席ニマ・シェリン(Nyima Ciren)は、対話の扉はこれまでどおり大きく開かれていると強調しながらも、それにはまず、ダライ・ラマがチベットを中国の一部と認め、母国中国からの分離の道を断念する必要があると強調。チベットの首都ラサを訪問中の北京駐在外国人記者団に次のように述べた。

「ダライ・ラマは〈チベット独立〉の道に終止符を打つ具体的な行動をとる必要がある。中国政府との交渉を望むならそれが大前提だ」

「ダライ・ラマが求めている〈チベット独立〉は中国の統治権を侵害するものだ。ダライ・ラマが分離独立のスタンスをあらためないかぎり交渉は無意味だ」

先般のインドに拠点を置くダライ・ラマの特使と中国との間で行なわれた会談についてのコメントは避けたが、1979年以降、ダライ・ラマが送った20組の派遣団がチベットや他のチベット文化地域を訪問していることについて次のように言及した。

「すべてはダライ・ラマの出かた次第だ。問題は、ダライ・ラマがチベット独立の道をあきらめる気があるか、分離行為をやめる準備ができているかどうかにかかっている」

「ダライ・ラマの〈チベットにおける高度な自治権〉と〈チベット地区の拡大〉の要求は、ダライ・ラマという役割上の戦術にすぎず、分離主義者という立場になんら変化はない」

「ダライ・ラマがチベット独立の道を本当に断念しているのであれば、なんらかの確固たる行動にでているはずだ。しかしながら、そのような行動はいまだもって見られていない」と語った。

1959年、中国支配にたいする民族蜂起が失敗に終わると、ダライ・ラマはチベットを脱出してインドに亡命。1979年以降、ダライ・ラマの特使と中国政府との間で機密会談が行なわれてきた。2002年に始まった第6期の会談は今月(7月)上旬に閉幕したが、チベット問題はもちろん高齢になりつつある現ダライ・ラマの将来についても進展が見られないままに終わった。

「ダライ・ラマはたんなる宗教者ではない。第一に政治家だ。我々はダライ・ラマに反対しているのであり、彼の分離主義行動に反対している。宗教に反対しているのではない」と語った。

そして、チベットが本年度上半期で14.7パーセントの経済成長を遂げたことを指摘して、「チベットに住むチベット人の大半が中国共産党を支持している」と述べた。

一方で、ダライ・ラマの助けを借りて、あるいは国益や宗教の保護を名目にして、社会主義システムの転覆を図ろうとしている者がいるとして、「そのような行為には断固として反対する」と述べたうえで、「チベットに住む人々は、現在の幸せな暮らしを自分の目を扱うがごとく大事にしている」と強調した。

ダライ・ラマは祖国の独立ではなく自治権の拡大を望んでいるが、中国側はダライ・ラマを分離主義者とみなしている。

ダライ・ラマに次ぐ精神的指導者パンチェン・ラマの転生者としてダライ・ラマが認定したニマ少年の現状について訊ねられると、シェリンは、「チベットの高校で勉強している。チベットでふつうに暮らし、高校に通っている。ニマ少年の兄弟姉妹も就学あるいは就業中だ」と述べ、「愛国心の強い少年だ。現在の生活を邪魔されたくないという彼の気持ちを尊重したい」と加えた。

西欧諸国の人権擁護団体による発表では、ニマ少年は1995年、6歳のときに逮捕されて以来、自宅監禁されていると伝えられている。