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中国、エベレストを舗装工事?

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(2007年7月2日 Ethical Travel News, CA)

中国は、2008年の北京オリンピックに先立ち、エベレスト山頂へのオリンピック聖火リレーを容易にするため、高速道路の建設を計画していることを表明した。
現在、ベースキャンプへの道路は舗装されていないが、「波形のガードレールで柵を巡らしたアスファルト舗装の高速道路」になるだろうと新華社通信は伝える。

この野心的な計画は、4ヶ月以内に完成予定となっている。アソシエイテドプレスによると、新しい高速道路は「旅行者や登山家にとって主要なルートになるだろう」とのこと。

環境問題の専門家達は、高速道路の建設は、すでに危機に瀕している生態系にさらに重い負担を強いることになると警告する。

インド人登山家Harshvanti Bisht氏は、「高速道路は地域全体に負荷を課すことになる。道路建設が、世界中の豊かな土壌に生態系的な影響を与えてきたことは、よく知られた事実である。このような開発が、地球で最も高い山の周辺に破壊的な結果をもたらすだろうことは想像に難くない」と語る。

コーネル大学環境学部理事のマーク・ベイン氏は、懸念すべきは道路からの汚染ではなく、増加する旅行者を収容するために「さらなる開発の機会」が創出されることであると語る。

いくつかの団体は、今回の道路建設はチベットに対する中国側の正当性を主張するものであるとして、公然と非難の声をあげている。

中国は1951年にチベットを占領した。亡命チベット人や世界中の人々からの抗議にもかかわらず、中国は現在もチベットを支配し続けている。

「オリンピック聖火のエベレスト山頂への到達」は「北京オリンピックを通じて、中国がチベット支配を誇示していると理解する人もいる」とアソシエイテドプレスは論述する。

インディアタイムズ紙によると、ニューデリーの当局者達は「エベレスト山はチベット人が崇敬する山である。鉄道プロジェクトの実施直後に、道路計画が発表されたことは、チベット高原と中国大陸との統合を急ぐ胡錦涛主席のチベット政策が、ここでも繰り返されたことを意味する。」と述べた。

聖火リレーのルート発表に先駆け、チベット解放運動に携わる学生のうちの5人が、高速道路計画に抗議した。中国はすぐに5人を拘束し、国外追放に処した。

こうした論争にもかかわらず、計画の有用性を信じる人々もいる。「この計画は地域の発展と住民にとって良いことだ。地域に魅了される観光客や登山家が増えるであろうから」とチベット登山組合事務総長の張民興(Zhang Mingxing)氏は語る。

インディアタイムズ紙によると、中国は6月末までに道路工事の着工を計画している。