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ラサ、焼身抗議後の規制強化

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(2012年6月2日 TCHRD

首都ラサで起こった二名の焼身自殺抗議以降、不特定多数のチベット人が拘束されている。二名のチベット人青年は、ラサのバルコル街にあるジョカン寺近くで、合同焼身抗議を実施した。情報によると、焼身抗議を行ったタルギェ(Dhargye)がレジ係として働いていたレストランのオーナーであるチョーキ(Chukey)は、妻及び家族と共に逮捕された。また、拘束されたチベット人、ドルマ・キャプ(Dolma Kyab)、Nyurgyog、カムベ(Khambey)、タムディン・キャプ(Tamdrin Kyab)、サンタック(Sangdrak)は全てアバ地区出身である事がわかっている。

情報筋はTCHRD(チベット人権民主センター)に対し、一時在住許可証(法的なラサ滞在許可証)を提示できなかったチベット人達 を拘束していると伝えた。拘束者の中には、チベット自治区以外にある他のチベット人居住区から一時的にラサを訪問している者もいる。ダルキェがアバ地区出身であるために、とりわけアバ出身のチベット人がターゲットとなっている。また5月30日にチベットの伝統服を着ていたチベット人までも逮捕されている、との事。

非チベット人自治区の訪問者に対し、ラサ滞在中、一時在住許可証を携帯することを義務づけた規制は、2009年に施行された。当規制は、当局がチベット人の移動、とりわけアムド・カムからラサへの訪問に対する制限を正当化するために用いられている。5月27日に非チベット自治区民がラサで焼身抗議を行った事により、今後、非チベット自治区民のラサ訪問制限が大幅に増えると思われる。

また、警官らはゲストハウスや賃貸住宅までも捜査しているとのこと。この強制捜査により、さらに拘束者が増える恐れがある。事件から約三日経った2012年5月29日、チベット自治区公安庁は、警察署や検問所に配置する保安要員及びパトロール要員に厳戒態勢を強めるよう指示した。

2012年5月31日、社会的安定に向けた労働条件に対するビデオ会議が開かれた。チベット自治区副書記長であり、チベット自治区の安定維持責任者であるハオ・ペンは、どんな小さな不安定や混乱でも鎮圧する事による社会安定のための安全保護対策が重要である事を強調した。また、混乱はその大きさに関わらず収拾させ加速させないことを保証した。
当局はラサ在住のチベット人に対し、保安要員の増強や移動制限をかけ、規制を厳しくしている。