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ベルリン会議、中国のチベット環境政策に焦点

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(2011年4月7日)

ダラムサラ:中国の政策がチベットに与える影響と、それが地球環境に及ぼす影響に対し国際社会の注目を集めるため、先週金曜、ドイツの有名なチベット支援グループが会議を開いた。

中国政府によるチベットの天然資源と遊牧民への容赦ない搾取に対する懸念が高まる中、チベットイニシアチブ・ドイツ(Tibet Initiative Deutschland)は会議を開催した。

“危機に瀕する第三極 – 中国のチベット環境政策” と題し、ベルリンで行われたこの会議には、それぞれの視点から問題をとらえるため、チベット人と西洋人の著名な専門家が出席した。

ダラムサラ中央チベット政権環境開発事務局長テンジン・ノルブ氏は、インターネットを介して会議に参加した。

ノルブ氏は、中国政府がチベットの天然資源を、危険な速度で枯渇させていることについて語った。

ノルブ氏は、聴衆の人々が、チベットの鉱物資源開発への懸念を持っていると述べた。質問への回答の中でノルブ氏は、資源開発政策に対するチベット人の平和的抗議行動を抑制するため、中国政府がいかに厳重な措置をとっているかを語った。弾圧を正当化するため、中国政府は常に、それが間違った環境政策に対するものであっても、チベット人たちの怒りに政治色を与える、と述べた。

会議では、チベット遊牧民を伝統的な生活から引き離す中国政府の政策についても議論された。著名な環境研究者でアカデミー会員であるガブリエル・ラフィット氏は、チベット遊牧民の永続的建造物への強制移住によって、生計を失い生存の危機にさらされることについて語った。

インド、チベットおよび中国の専門家であるクロード・アルピ氏は、チベットにおける中国の水政策について語った。氏は”第三極”という言葉と、チベットでの中国政府の水政策の結果、それがアジアの人々へ与える影響について説明した。

有名なジャーナリストで評論家、作家であるフランツ・アルト博士は、気候変動や再生可能エネルギーと、現在のチベットの天然資源開発との関わりについて、精力的に紹介した。アルト博士はチベットの専門家であり、環境問題にも積極的に関わっている。

ダライ・ラマ法王の特使であるケルサン・ギャルツェン氏もまた、会議の講演者として招かれた。ダライ・ラマ法王ヨーロッパ特使ケルサン・ギャルツェン氏は、環境問題をチベット人の権利剥奪の現れであると指摘した。この種の問題は、チベット問題に政治的解決が得られて、はじめて解決することができる。したがって、意思決定者と一般市民に対して継続的に圧力をかけることが重要である。そういった意味で、数十年にわたりチベット人の権利を提唱してきたドイツで最も古いチベット支援グループとして、チベットイニシアチブ・ドイツの活動を率直に賞賛した。


(翻訳:熊谷惠雲)