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ブッシュ大統領、中国の反対を押し切って、 ダライ・ラマに会う

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2001年5月23日
AFP(ワシントン)

5月23日、ブッシュ大統領は、中国の断固たる反対にもかかわらず、ダライ・ラマをホワイトハウスに迎え、亡命中で精神的リーダーが、中国との対話を始めるために努力していることを強く支援すると約束した。

一方、米国が台湾の陳水篇総統にラテンアメリカ訪問で米国に立ち寄る許可を出した件につき、中国は、米国政府による「間違った決定」だと公式に抗議した。中国は、台湾を背信国だと考えていることによる。

このような米国の動きで、米中関係はより悪化したようだったが、ブッシュ大統領のフレッチャー・スポークスマンは、報道記者らに、「大統領は、相互で合意している貿易問題は、中国とともに解決できると考えている」と伝えた。 「人権や宗教弾圧といった問題は、米中間では意見の相違が見られるが、大統領は、その問題を改善するために、双方の違いについて議論することを躊躇しない」とフレッチャー・スポークスマンは強調した。

ダライ・ラマの米国訪問によって、米国の後の立場が弱くなったようだ。ホワイトハウス係官が、「重要な個人的会合であって、政治的でなく変則的なものだ」と苦し紛れに述べたが、中国をなだめるためであることは明白だ。「いかなる政策変更もなく、チベットは中国の一部という立場は変わっていない」とフレッチャー・スポークスマンは述べた。

1月20日、ブッシュ大統領の就任以来、アメリカの偵察機墜落事故、台湾への兵器輸出、米国寄り中国人学者が中国で抑留された事件、中国の人権問題記録への米国の絶えない批評等によって、米中関係は行き詰まってきた。

この大統領官邸で行なわれた会合の後、 フレッチャー・スポークスマンは「ブッシュ大統領は、中国と対話を始めるための、ダライ・ラマの不断の努力に対して、強い支援を宣言した」と述べた。

スポークスマンによると、「ブッシュ大統領は、中国へ対話を促す方法を検討し、好意的に答えて欲しいと表明した」と伝え、米国家安全保障顧問のコンドリアーサ・ライスも出席していたことも明らかにした。

フレッチャー・スポークスマンは、「大統領は、チベット固有の宗教、文化、言語の独自性の保存し、全てのチベット人の人権を保護するために、米国が支援するという強い約束を繰り返した」と述べた。 ダライ・ラマは、報道記者に次のように語った。 「私は、ブッシュ大統領の10月中国訪問時に、民主主義、人権、信仰の自由を支援するよう強く促し、故国のために、独立ではなく自治を訴えた」

中国は、チベットの独立を要求し、中国を分断する分離主義者としてダライ・ラマを非難している。ダライ・ラマは、1959年、不成功に終わったチベット民族蜂起後、国を去ったが、より良いチベット自治のために世界中で活動している。

中国は、いわゆる「チベットの平和的開放」として第50周年記念を祝ったが、チベット自治に対して、中国共産主義の闘いのなかで「いかなる妥協」もしないことを表明している。

ワシントンで、ダライ・ラマのスポークスマンは、「米政府は、チベット独特の言語、文化宗教の独自性の保護を支援するために、道徳的、物質的支援を申し出た」と述べた。

身元を明らかにしなかったが、あるホワイトハウス係官は、チベット難民の受け入れ計画や、チベット人学生の奨学金を奨励するために使う合計500万ドルの資金の存在を明らかにした。

ダライ・ラマは、ブッシュ大統領の父親、ジョージ・ブッシュ元大統領やクリントン前大統領らと会ったが、クリントン前大統領は、他の係官との会合に少し立ち寄っただけだった。

ダライ・ラマは、国際情勢長官で新しくチベット問題の特別調整官になったポーラ・ドブリアンスキーと会談し、同様に、コリン・パウエル国務長官とも会談した。