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チベット民主デー45周年記念 カシャック(チベット亡命政権内閣)の声明

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(2005年9月3日 チベットネット)

チベット民主デー45周年記念を迎えるにあたり、チベット亡命政権は、チベット国内外のすべてのチベット人ならびにチベット人を支援し、連帯を示して下さる国際社会の皆様に心よりご挨拶を申し上げます。現在の我々の民主主義システムは、宗教的価値と政治的価値の調和の取れた融合の基に築かれておりますが、これはひとえに、第14世ダライ・ラマ法王の並々ならぬご尽力の賜物であります。

現代のポスト・モダンの世界においては、民主主義が最良の政治システムであると考えられているため、ほとんどの先進国がこのシステムを神聖不可侵なものであると思っています。このような時代において、亡命チベット人もまた、ダライ・ラマ法王の寛大な御心により、民主主義の成果を享受するという大変恵まれた機会を何の苦労もなく手にしました。故に、今日はそれを喜び祝う時なのです。

ダライ・ラマ法王の多大なご尽力により、亡命チベット人社会の民主主義は高度な段階にまで達しています。これは将来、我々がチベット在住のチベット人と再会した際に、彼らへの大きな贈り物になることでしょう。また、たとえ亡命中ではあっても、民主主義はチベット人社会の行政および制度がうまく機能するよう促進してくれました。これは、チベットの宗教、文化、言語の保存についても同じことが言えます。

ダライ・ラマ法王の博愛精神とチベット人の結束力によってチベット問題が解決に近づいてゆく中で、守護神とチベット仏教の高僧たちは、チベット人全体の徳を高めることが重要だと強調してきました。これに応じて、亡命チベット人および在留チベット人はチベット暦甲申年の昨年、年間を通じ、功徳を積む多くの活動を行ってまいりました。ダライ・ラマ法王の70歳のご生誕祝いと重なる今年もまた、チベット国内外のチベット人から寄付を募り、すべての主要な僧院と巡礼地において一連のプジャ(法要)を行っています。この点に関して、惜しみないご協力とご支援を賜りますよう、中央チベット政権はチベット人のすべての皆様に改めてお願い申し上げたいと思います。

中国と継続中の対話プロセスにおいては、チベット代表団はダライ・ラマ法王の中道政策をその指針として、昨年の6月から今年の7月上旬にかけてスイスの首都ベルンで中国との第4ラウンド交渉を行うことができました。今回は、第3ラウンド交渉で中国政府が示した疑念と条件について明確に回答する機会を得たとともに、意味のある交渉に向けて一歩前進することができました。今後もまた、この対話プロセスを継続することにより、実りある交渉に向けてさらなる努力を行う次第です。それ故、交渉のための良い環境作りに取り組んで下さるよう、チベット内外のチベット人の皆様に今一度お願い申し上げたいと思います。

今年の5月27日に行われた民族問題に関する会議の中で、中国の胡錦濤国家主席は次のように述べています。「中国は多民族国家であり、各民族は独自の文化的、伝統的、言語的、歴史的発展を遂げてきた。これについて正当な見方をするならば、民族のアイデンティティを無理に変えようとするようなすべての活動を完全に阻止するべきである」。これは現実に即した正しい見解です。従って、我々はこの発言を心から歓迎し、それが実行されることを願っています。

最後に、ダライ・ラマ法王のご長寿をご祈念申し上げますとともに、チベット問題の真実が一日も早く勝利を収めることを願ってやみません。

2005年9月2日
チベット亡命政権