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チベット歴新年にチベット人がダライ・ラマ法王の誕生日を公然と祝う

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(2015年3月10日)

 

中国北西部の四川省、青海省、甘粛省に居住するチベット人らが今週、ロサル(チベット歴新年)を祝う伝統行事を、公式の場から個人レベルまで広く行い、これに併せて亡命中の精神的指導者ダライ・ラマ法王の80歳の誕生日を公然と祝った。

四川省のンガバならびにゴロク・チベット人自治県の僧院では、ダライ・ラマ法王の実物大の写真を僧院の中庭に設置した玉座に飾り、供物を並べ、法王のご長寿を祈祷したと、地元情報筋がラジオ・フリー・アジアのチベット地区サービスに匿名で語った。「参列者は僧院に所属する僧侶や地元チベット人居住区の在家信者だった。祈祷の札が空に舞い、花火が上がり、ダライ・ラマ法王の80歳のお誕生日を公然と祝っていた」

チベット歴新年の最初の木曜日に行われたこの祝賀には、ンガバ地区のセ僧院、ニェンチェ僧院、スムド僧院、ゴロク地区のジョナン・キャダ僧院が参加した。

ダライ・ラマ法王は、1959年、中国のチベット支配に対するチベット全域での動乱の中、インドに亡命した。その後、中国政府は中国のチベット支配に異議を唱えるダライ・ラマ法王をはじめ亡命チベット人らを繰り返し非難し続けている。

今週行われた祝賀行事に対する中国当局の反応は明らかになっていない。

禁じられた肖像

チベット人が7月6日のダライ・ラマ法王の誕生日に肖像を掲げたり、公式な祝賀行事を催したりすると、これまでは厳しい処罰が与えられてきた。チベット人が携帯電話にダライ・ラマ法王の画像を保存していることで身柄を拘束されるという事例もある。

それでも、青海省黄南県の同仁市、甘粛省甘南県では、多くの個人の自宅では祝賀が行われたと、ラジオ・フリーアジアの関係者は話す。「チベット人が新年を祝うだけではなく、ダライ・ラマ法王のお誕生日をお祝いしていたのは明らかです。今年はロサルを祝うチベット人がここ数年よりかなり増えています。チベットのこの地域の僧院や在家信者らには、自分たちの精神的指導者が80歳を迎えるにあたって、特別な敬意を表す独特の伝統があるのです」

ゴロク県の久治市にあるジョナン・キャダ僧院では今週、ダライ・ラマ法王だけでなく、同僧院のケンチェン・クンガ・シェラブ僧院長の80歳の誕生日を祝ったという。

中国内のチベット人居住区では、広範囲にわたる抗議活動が行われた2008年以降、中国のチベット支配に反対するデモが散発的に行われている。中国政府への反発とダライ・ラマ法王のチベット帰国を求め、これまでに136人のチベット人が自ら焼身して抗議活動を行っている。


(翻訳:植林秀美)