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チベット仏教指導者が軍病院に拘留

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2001年9月28日
ニューヨークタイムズ 北京

海外の人権監視団体によると、中国西部の山間部にあるチベット仏教のセンターを設立した著名な設立者(指導者)が、意志に反して中国の軍病院に拘留されているという。

ワシントンのインターナショナル・フォー・チベットは、目撃者の証言による情報として、指導者であるケンポ・ジグメ・プンツォク師が、公式には逮捕されていない模様であるが、この夏、山間部の学習センターから近隣の四川省内の軍病院に連れ出されたと発表した。

人権団体によると、師の弟子である教師や生徒は、彼への面会を禁じられているという。また、当局により、ほとんどの生徒は追い出され、過去数年間に建てられたほとんどの小屋も取り壊されたが、彼はセンターへ戻ることを許可されていない模様である。

インターナショナル・フォー・チベットの代表ジョン・アカリー氏によると、チベット仏教の卓越した指導者であるケンポ・ジグメ・プンツォク師への強制的な拘留措置は、チベット仏教にとって深刻な打撃である、と語った。

仏教センターは、ケンポ・ジグメ・プンツォク師により1980年にセルタルの近くに設立された。セルタルは、最寄りの舗装道から500マイル離れており、四川省のチベット系住民の多い地域にある。彼の厳格な伝統的な教えが口伝で広まり、当時何千もの修行中の僧や尼僧を惹きつけた。

7月に当局は、仏教センターが、社会規範への脅威であり、また同センターが公的な認可がないことを理由に、生徒(滞在者)へ同地域からの立ち退きを命令した。その際、地元の生徒のみが、同センターに所属できると言明された。簡易な瞑想用の小屋や山腹に散在する宿舎の取り壊しが開始された。

ケンポ・ジグメ・プンツォク師の所在は当初不明であったが、目撃者によると、8月以降、バルクハムの軍病院に事実上監禁されているという。

中国政府は、1966年から1976年の文化大革命期間中に破壊されたチベット寺院の政府管理下での再建を公式に支援している。また、中国政府は、亡命中の指導者ダライ・ラマへの忠誠を消し去ろうとしており、その結果、多くの軋轢を生んでいる。

セルタル近くの仏教センターは、中国政府によりこれまでに一度も寺院や学校として認可されたことがない。しかし、指導者が伝統的な教義の学習に専念し、政治的な活動を避けてきたため、何年にもわたり黙認されてきた。 しかし、センターの規模と名声が大きくなり、中国政府は、学習センターが潜在的に共産党支配に対する脅威となると見なし始めたようである。それが、この夏の厳重な取り締まりに繋がった。

地元の目撃者によると、ラルン・ガルとして知られる仏教センター一帯への道路は、軍により封鎖されている。

仏教センターの何人かの尼僧は、24米ドルと引き替えに、生まれ故郷に戻るようにとの申し出を受けたと語った。しかし、人権グループによると、宿舎にいた多数の尼僧が、近隣の山間部をさまよい貧窮しているという。