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チベット人の出展による、国連の展示会中止に激しい憤り

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2001年6月22日
ナショナル・ポスト(ナショナル・ポスト)

文化促進を担当する国連のエージェンシーは、国連本部で開催される予定だった国際芸術展覧会を、チベット人芸術家の出展を知った後に中止した。

昨日、2人の米国下院議員がこの中止に激しい憤りの念を表明し、そして、エージェンシー専属の「平和を支持する芸術家」の一人が抗議して展示を辞退した。

中国は、1951年に併合したチベットに関することなら何でも妨害するのが常ではあるが、芸術展覧会に対しては苦情を公に表してない。

だが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、約50作品のうち1作品がチベットの宗教的な掛軸だと知ると、「国境を越えた芸術」展覧会から手を引いた。

「ユネスコが展覧会から手を引いたことは…恥ずべきことだ」ニューヨーク出身の米国共和党下院議員であり、国際関係委員会議会の会長だったベン・ギルマンはそう語った。

また、米国のユネスコ再加入の動きに反対する新たな弾みを獲得したとも述べた。1984年、合衆国政府は、ユネスコが反西側的で、浪費と汚職にまみれ、縁者びいきが激しいことを理由に同組織を脱退している。

ニュージャージー出身のスティーブン・R・ロスマン民主党議員は「中国当局によるチベット文化抹殺の試みは人道への犯罪行為を象徴している…。ユネスコがこんな犯罪に荷担するなんて青天の霹靂だ」。

議員らは、ボスニア系イスラエル人ピアニスト、サーシャ・トペリッチ博士が「平和を支持するユネスコ芸術家」の立場を辞退したことに賞賛の意を示した。「平和を支持するユネスコ芸術家」に任命されることは、国際的有名人に組織をプロモートしてもらうという点で国連親善大使プログラムと似ている。

「芸術は自由であり、政治的な制限を課せられるものではない。またそうあるべきではない」とトペリッチ博士は述べた。

ユネスコが展覧会を中止した理由は、ユネスコと数年に亘って協力し、芸術作品の収集活動を行ってきたカリフォルニアに本拠地がある組織、TIMOTCA(20世紀芸術国際美術館)に宛てた手紙に書かれている。

ニューヨークに基盤を置くユネスコ(本部はパリ)地域報道顧問、アンドリュー・ラドロフの著名入りの手紙によると、「TIMOTCAは既定の慣例に反して、加盟国と国連との関係に深刻な被害を及ぼしかねない措置を取った」。

3月、TIMOTCAの代表はチベット亡命政権の精神的指導者、ダライ・ラマと会見し、展覧会にチベット人芸術家による作品を展示する旨を申し出た。TIMOTCAは本件については、ユネスコに公にしていないが、いずれにしろ情報は国連本部に入った。

「1995年に初めてユネスコと国連と対話を持ったときから、TIMOTCAが世界のあらゆる国の、できるだけ多くの文化と地域の人々の芸術を紹介する使命を負うということは、はっきりしていた」とTIMOTCAの共同設立者、エドワード・ソロモン。「作品の除外や制限が提案されたことは一度もない」。

※TIMOTCA:20世紀芸術国際美術館