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チベットは中国を変える促進剤 ― チベット亡命政権主席大臣訪日

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2018年2月20日
日本、東京

歓迎レセプションでスピーチを行うロブサン・センゲ主席大臣。2018年2月18日、日本、東京(写真/ OOT Japan)

世界は中国を変えなければならず、中国に平和と民主主義をもたらす促進剤となるのがチベットである ― 中央チベット政権(チベット亡命政権)ロブサン・センゲ主席大臣は昨日、一週間の訪日を歓迎して開催されたレセプションで日本人支援者らにこう語った。歓迎レセプションには公官庁の代表者、国会議員やその支持者、仏教団体、SFTなどNGO団体、地元チベット人、教育機関関係者などが出席した。

ロブサン・センゲ主席大臣は次のように述べた。「チベットのために平和と勝利を現実のものにするしかないのです。中国共産党第19回党大会で習近平国家主席は、新しい時代における中国の特質をもつ社会主義こそが中国が目指すものであると述べました。中国の特質をもつ社会主義とは、自由な民主主義や表現の自由が存在しないということなのです。一党独裁主義ということなのです」

センゲ氏はさらにこう述べた。「新しい時代は、国境を超えて国際社会を築く時代です。毛沢東の時代は中国の国家統一の時代、鄧小平の時代は中国を豊かにする時代、そして習近平の時代は一党独裁主義をもたらそうとしています。ですから世界はもう選択の余地はないのです。中国を自由な民主主義国家に変えなければ、中国のように変えられてしまいます」

歓迎レセプションでスピーチを行うロブサン・センゲ主席大臣。2018年2月18日、日本、東京(写真/ OOT Japan)

中国は北朝鮮、南シナ海、東シナ海、スカボロ礁の領土問題を経てきた。「ですから、日本がこれに対してどう対処するかが問題です。昨年の夏、中国はブータンとシッキムの間のドクラムという土地の所有を主張し、南シナ海、東シナ海のときのように成功すると思っていました。しかし今回はインドがノーをつきつけたのです。72日間にわたって中国は軍を派遣しましたが、インド軍が押し返しました。最後には、両者ともに退きました」とセンゲ氏は語った。 

さらに次のように述べた。「インドのように道徳的な行動をとらなければ、南アフリカの法科大学院のような行動をとらなければ、中国に押し寄せられ、踏みつけられていくでしょう。中国を変えたければ、みなさんが中国を変える促進剤として支援するべきはチベットなのです。

世界には、シリア、ボコ・ハラム、ロヒンギャなど多くの紛争があります。しかし、チベットに目を向けていただくと、私たちは非暴力主義で平和主義であり、対話、民主主義、人権、正義を求める、前向きな主張をしています。この60年間、私たちは善意に基づいて行動を続けています。

世界全体で発生する数多くの紛争は、模範となるものを求めています。ひとつはチベットの非暴力、平和、対話を掲げる模範、もうひとつは暴力、斬首、軍事、テロを掲げる模範です。チベットの掲げる平和と対話の模範を支持しなければ、他の多くの紛争地域も暴力的な模範に続くことになるでしょう」

歓迎レセプションでスピーチを行うロブサン・センゲ主席大臣。2018年2月18日、日本、東京(写真/ OOT Japan)

「日本のような長期にわたるチベット支援はチベットの主張の強化に前向きなインパクトを与え、チベット本土のチベット人に力強い希望と勇気のメッセージを送ってきました。今日、日本の与党議員の宇都隆史氏がここに同席してくださっていることは、チベット人たちに大きな希望と励みになります」とセンゲ氏は語った。

ロブサン・センゲ主席大臣の歓迎レセプション出席者に対し、宇都隆史氏は次のように述べた。「安倍晋三首相率いる日本政府は民主主義、人権、平等を強固に守る新しい国家政策を築きました。日本は国際社会に全面的に協力してこうした価値観をさらに普及していこうとしています。日本と我々一人ひとりがこうした価値観を復興させ、チベット人民がその主張に勝利するよう支援します」

ロプサン・センゲ主席大臣・櫻井よしこ様・高須クリニック高須克弥院長・西原理恵子様。2018年2月18日、日本、東京(写真/ OOT Japan)

センゲ氏は、日本に新しい認識が生じ、そのために立ち上がり、戦うべきであることを明確に感じられたと述べた。中国を変えなければ中国に変えられてしまうという共通のこの認識は、スウェーデン、ノルウェー、南アフリカ、オーストラリア、アメリカでも育っている。

「平和と民主主義は中国に打ち克つことができるでしょう。そしてチベットは中国に平和と民主主義をもたらす促進剤となるでしょう」とセンゲ氏は述べた。


(翻訳:植林秀美)