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チベットは「非常に緊迫」した状況、騒乱の可能性も ー ダライ・ラマ法王発言

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(2009年2月11日 AFP)

[ドイツ-バーデンーバーデン]ダライ・ラマ法王は、失敗に終わった中国への蜂起50周年を前に、チベット内の状況が緊迫しており、新たな暴動の危険があると警告した。50年前の蜂起により、ダライ・ラマ法王は亡命を余儀なくされた。

ドイツの温泉地バーデン・バーデンを訪問中のチベットの宗教指導者ダライ・ラマ法王(73歳)は、「(チベット内では)現在、怒りが満ちあふれており、状況は非常に緊迫してる」と語った。

「暴力的な事態がいつおきてもおかしくない。私の一番の心配は、反対行動が増えれば増えるほど、より一層の弾圧を生み出すことになることなのです。」とジャーナリストに語った。

また、「中国軍は、銃器を携帯する際、常に引き金に指をかけているような緊迫した状態です。中国軍が(チベット内に)留まるかぎり、緊張は続くでしょう」と述べた。

「公開処刑を行うことが難しくなって以来、中国政府は、チベット人が拘束された場合、拷問を行っています。チベット人が逮捕されるとすぐに、拷問が行われ、殺害されることもあります。」

来月、ダライ・ラマ法王のインドへの亡命のきっかけとなった、中国共産党に対する失敗に終わった蜂起から50周年を迎える。

中国政府は、ダライ・ラマ法王をチベット独立を煽動する分離主義者とみなしている。そのため、中国政府は、各国政治指導者との会見やどのような形での公式な歓迎にすら強硬な反対を申し立てている。

現在、インドのダラムサラに拠点をおく、ダライ・ラマ法王は、チベットの独立を求めるのではなく、チベットの真の自治と文化的抑圧を終わらせることを求めていると明言している。

彼は、ドイツの編集者とジャーナリストにより選定される、2008年ドイツメディア賞受賞式典のために、今週火曜、バーデンバーデンに滞在していた。

過去の受賞者には、元アメリカ大統領であるビルクリントン氏、ノーベル賞受賞者で、元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏、元ドイツ大統領ヘルムート・コール氏がいる。

最も最近、チベットの首都ラサで起きた暴動は、昨年3月14日であり、それは中国各地のチベット人居住地域に広がった。

ダライ・ラマ法王に率いられるチベット亡命政権によれば、暴動に続く、中国政府による弾圧により、200人以上のチベットが殺害され、1,000名以上の負傷者がでているという。これは中国政府が公表した数字と対立するものである。

今週水曜日はじめ、中国国営新華社は、暴動に関連して76名が処罰されたと報じた。これは、以前公表されていた55名を上回るものである。

ダライ・ラマ法王は、チベットの状況に関する情報源は、彼に会うためにチベットを離れたグループや個人であると明かした。

また、半世紀以上のわたる中国の支配のために、多くのチベット人が、「差し迫った決意」を持つことを理解できると語った。しかし、非暴力のみが対抗できる方法であると説いている。

「中国政府は組織的に、チベット人のアイデンティティを抑圧してます。また、強い姿勢でチベット文化を容赦なく押しつぶすつもりなのです。」

チベット内の多くの場所で、学校は閉鎖されており、その中には、「チベットのアイデンティをより自由に教えている」私的運営の学校も含まれている

「北京政府に信号を送ることが重要です。その信号とは、チベット問題は、お互いが受け入れることのできる解決策を見つけない限り、好転しないということでなのです。」とダライ・ラマ法王語った。

「現在、チベット文化とチベットの人権問題への関心は、世界中に広がっているのです」


(翻訳:Vaipuna)