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チベットに打つ手はないのか? By RS Kalha

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(2012年4月11日 CTA)

With the new media, the Tibetan issue is now known worldwide
By RS Kalha
Former Secretary, MEA(Tehelka)

中国 胡 錦濤 国家主席のインド訪問に抗議し焼身自殺を図ったジャンペル・イエシさん(27歳)、インドの大半の人々は、彼の死もいつか人々から忘れ去られるのだ、と悲しい運命を嘆いた。イェシさんはチベット青年団の活動家だった。彼は焼身自殺前「この21世紀、チベット人が焼身自殺を図るのは、世界に我々の苦しみを知らせるためだ」との痛烈な遺書を書き残していた。イェシさんだけではない、中国で焼身自殺をはかったチベット人は30人を超える。しかしこの事実を世界は知っているのだろうか?

この時、予想通り、まるでタイミングを計っていたかのように、中国はダライ・ラマ法王を一連の焼身自殺事件の「首謀者」として非難した。インド国内で、このような「賛辞」に喜ぶ者は、中国政府関係者を除いてまずいない。中国政府は、「この状況はインド政府が操作したもの」とまで言っている。それにも関わらず、中国はチベットの混乱の原因が一体何なのか見直そうとしない。

チベット居住区は厳重に治安部隊が配備されている。新たに多くの検問所が設置され、防弾チョッキをまとった重装備の警察部隊が消火器を運び込んでいる。また中国は「寺院管理」計画を策定し、彼らの宗教的生活もコントロールしようとしている。さらに100万枚以上の中国国旗と毛沢東の肖像画を配布し、寺院には毛沢東の肖像画を強制的に飾らせた。チベット人住民達はこれらの横暴策に大きな不満を抱えている。

チベット人は非暴力主義である。11世紀にインドからチベットへ仏教が伝わる以前、チベット人の宗教は精霊信仰であった。気性も激しく、戦争や軍での手柄が大いに喜ばれていた。しかし「全ての生き物は殺してはならない」という仏教の教えによりチベットは変わった。軍人は消え、その後チベットが他を攻撃し脅かした事は一度もない。しかし悲しい事に、チベット人や彼らの苦しみについて語る国が全くいなかった。2010年12月17日、チュニジアで露天商モハンメド・ボナジジが焼身自殺を図った。この事件をきっかけに、アラブ世界の騒乱、いわゆる「アラブの春」が広まっていった。ジャンペル・イェシの場合、残念な事に、スリランカでのLTTE敗北宣言の時のようにはならず、わずかなものだけが不運なチベット人のために涙を流しただけであった。UNHRC(国連人権委員会)でさえ、チベットの人権侵害に注目しなかった。

理由は簡単である。誰もが中国を煩わせたくなかったのだ。中国はUNSC(国際連合安全保障理事会)の常任理事国であり、世界第二の経済大国だ。中国の軍事力は着実に成長している。ますます強大になる中国の軍事力に対処すべく、米国では軍事態勢の見直しに追い込まれたほどだ。米中が東アジアの安定・協力関係の発展のため利害関係にある事を認識しながらも、審査会は中国に対し、摩擦回避のための「戦略的意図の明示」を要求した。中国のチベット政策に従うこと、米国利益に敵対する者に戦略的姿勢をとること、米中の「連携」は暗黙の了解であった。

しかしながら打つ手がないというわけではない。新しいメディアの発達により、チベット人の苦しみは今や世界中に知られている。さらに焼身自殺が起これば、中国のチベット政策に対する反感は急激に高まるだろう。中国のリーダーシップぶりに注目


(翻訳:H.Fujita) )